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物理工学科について

物理工学は、物理学とテクノロジーの橋渡しをする分野です。物理工学科では、物質の性質を探究する「物質科学分野」、複雑現象を解析する「複雑科学分野」、エネルギーに関連する現象に取り組む「エネルギー科学分野」、ナノの視点からデバイス創成を目指す「ナノデバイス分野」という4つの分野からのアプローチで、研究分野を開拓しています。それぞれの専門分野でのエキスパートが協力しあうことで、幅広い視点で社会を見つめながら、イノベーション創出を目指した研究に取り組んでいます。

4つの研究領域 Four Research Horizons

 
 

物質科学分野

物質のなかの電子の振る舞いなど、現代物理の基本原理である量子力学が切り拓いてきた物質の性質を探究し、これまで存在しなかった物性の発見や物質機能性の開拓に取り組みます。現代の私たちの生活は様々な機能を持つ物質により支えられています。新たな物質の機能性の開拓は、私たちの未来の生活に新たな可能性を生み出します。

 
 

複雑科学分野

例えば魚や鳥・細胞が大量の群れを作って群遊したり、多数の神経細胞から構成される脳が知性を持つなど、複数の要素が組み合わさって起きる創発的な現象を非線形力学系の視点から数理的に解き明かしていきます。複雑科学分野では、脳への情報伝達の仕組みや、個人が多様な関係性でつながる人間社会のネットワーク解析なども研究します。

 
 

エネルギー科学分野

あらゆる現象はエネルギーの貯蔵・輸送・変換として分類することができます。これらの現象を物理的な視点から理解し、新しい応用を創出していくことはサスティナブルな未来を実現するための重要な課題。量子コンピュータや高速通信システムの核となる「高温超伝導」や、身の回りにある振動や熱からエネルギーを収穫して電気エネルギーに変換する「エネルギーハーベスティング」など、新しいエネルギー分野の開拓を進めています。

 
 

ナノデバイス分野

電子や分子、イオン等の微粒子はナノ空間やナノ周期構造中に置かれると量子力学的な効果が顕在化し(ナノメートル=10 億分の1 メートル)、特異な挙動を示すようになります。このため、私たちに馴染みのある物質もナノサイズにすると全く異なる性質を示します。ナノデバイス分野では半導体プロセスや自己集積化現象を利用して原子や分子レベルで領域をデザインすることで、マクロな世界では実現し得ない省電力性に優れた極小スケールの高機能次世代メモリや、エネルギー素子、新しい機能を持つ極小デバイスの研究開発を進めます。

役職紹介

  • 学科主任・専攻主任:宮島顕祐 教授
  • 教務幹事:木下健太郎 教授
  • 大学院幹事:遠山貴巳 教授
  • FD幹事:中嶋宇史 准教授
  • 就職幹事:樋口透 准教授
  • 実験幹事:岡村総一郎 教授