2026.05.19 修了生が紹介するMOTの講義
基盤科目「経営戦略」(岸本太一准教授)|第6回:「戦略の【技術】適合」~腹落ちする授業「アクティブラーニングが生む深い学び」~
【2026年春学期】

今回の講義テーマである「経営戦略の[技術」適合」は、MOT(技術経営)の中でも最もその本質を体現するテーマと言えるだろう。MOTを学ぶ学生にとって、この領域こそが大学院入学の動機となったケースも少なくないはずだ。しかし、テーマの奥深さゆえに、文献や書籍を読むだけでは十分な理解や自己の学びへの接続が難しい領域でもある。そのようなテーマに対し、現在の岸本先生は、いかにアプローチされるのかについて、期待と好奇心を胸に、今回の講義に臨んだ。
MOT修了から約二年ぶりに岸本先生(※1,※2)の講義を体験し、その進化に率直に驚いた。

岸本先生の授業設計の特徴は、豊富な事前課題によって学生の学習プロセスそのものを丁寧に組み立てている点にある。初めて受講する学生には負荷が高く感じられるかもしれないが、「疑問メモ」「当てはめメモ」等の各課題には、一つひとつに先生の明確な意図が込められている。学生が自ら悩み、考え、苦労しながら手にした知識の断片は、講義の場でまるでパズルのピースのように有機的につながっていく。その瞬間に生まれる「わかった。なるほど、おもしろい」という腹落ち感こそが、この授業の醍醐味であり、事前課題に真剣に向き合った学生ほど、その実感は深いものになるのではないか。
今回の講義は公開授業化されており、MOTへの入学を検討している方々が無料で見学できるようになっていった。見学者として公開授業に参加されていた方々は事前課題を経ていないため、この感覚を完全に共有することは難しかったかもしれない。しかし、同じプロセスを歩んできた修了生の立場から見ると、現役学生たちが理論を自分のものとして腹落ちさせていく様子は明らかに見て取れた。以前と比較して、腹落ちへと至るアクティブラーニングの設計はより洗練され、深化している。授業の進化に驚くと同時に、理論を実践知として自らに結びつけていくMOTならではの知的な充実感を、改めて肌で感じた講義となった。
執筆:2024年度修了生(製造業勤務)
*1 岸本准教授:https://dept.tus.ac.jp/mot/facuity/taichikishimoto/
*2 岸本太一HP:https://www.taichikishimoto.work/















