| 講演者氏名 | 阪田直樹氏(お茶の水女子大学ソフトマター教育研究センター) |
| 講演題目 | 熱可塑性エラストマーの動的ネットワークを用いた数学的モデル化 |
| 日時 | 2023 年6 月16 日(金)16:30~17:30 |
| 場所 | 東京理科大学野田キャンパス4号館3階 数理科学科セミナー室 |
| 概要 | 熱可塑性エラストマー(TPE)は,常温ではゴム弾性体としての挙動をとる一方で,熱 を加えると流動性を示す特性を持つ材料である。この性質により成形が容易であるため, 自動車部品や食品容器といった多様な用途で広く利用されている。このTPE の特性は, 異なる性質を持つ二種類のポリマーを結合したブロックコポリマーと,それらが自己組織 化する際に生じるミクロ相分離構造に由来している。特に相分離構造が生み出す球体状 の硬い領域と,それらの領域を連結する柔軟な部分がゴム弾性体としての挙動を可能にし ている。この構造は,球体状の領域を「頂点」とし,連結部を「辺」と捉えると,三次元 ネットワークとしてモデル化が可能である。 TPE を伸長するとミクロ相分離構造もそれに伴って変化し,硬い領域では分裂や融合 が観察される。今回の講演では,TPE を伸長した際の振る舞いを三次元ネットワークの モデルを用いて数学的に解析する試みを紹介する。 |
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