2024.04.24 談話会

講演者大矢浩徳氏(東京工業大学)
題目量子アフィン代数の表現のq-指標における非自明な双有理変換について
日時2024年4月24日(水) 16:30~17:30
場所東京理科大学野田キャンパス4号館3階数理科学科セミナー室
概要量子アフィン代数とはアフィンLie環(≒複素半単純Lie環のループ化)と呼ばれる無限次元Lie環の普遍包絡環のq-変形にあたるHopf 代数である.量子アフィン代数の有限次元表現論において指標の役割を果たすのが,Frenkel–Reshetikhinによって導入されたq-指標である.各有限次元表現のq-指標はあるLaurent多項式の形で与えられるが,有限次元既約表現のq-指標(既約指標)は一般に閉じた公式の知られていない難しい対象である.

本講演では,q-指標の変数に対する非自明な双有理変換で,既約指標を別の既約指標に写すようなものが発見されたことを報告する.この変換の導出にあたっては,Fomin–Zelevinsky によって導入されたクラスター代数の構造が用いられるので,この点も合わせて解説を行う.本講演の内容は藤田遼氏,David Hernandez氏,Se-jin Oh氏との共同研究(arXiv:2304.02562)に基づくものである.
共催先端的代数学融合研究部門 野田代数セミナー
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