2025.05.28 談話会

講演者森村勇人氏(カブリ数物連携宇宙研究機構)
題目ミラー対称性と圏の貼り合わせ
日時2025年5月28日(水) 16:30 ~17:30
場所東京理科大学野田キャンパス4号館3階数理科学科セミナー室
概要Kontsevichが1994年に提唱したホモロジー的ミラー対称性(HMS)予想は超弦理論において見出されたある種の双対性の圏論的定式化であり、ミラー対を成す空間の導来圏と深谷圏が同値であると主張する。前者は代数幾何、後者はシンプレクティック幾何の情報を豊富に含む。HMSの証明の難しさの一因は深谷圏の計算の複雑さにあったが、近年Ganatra-Pardon-Shendeが発表した3編の論文により、非コンパクトシンプレクティック多様体の一種であるLiouville扇の巻深谷圏を局所的なものを貼り合わせて計算できるようになった(局所大域原理)。本講演では、なるべく詳細に立ち入らずに、(開)Liouville扇の一種である極アファイン超曲面の巻深谷圏を3種類の局所大域原理を用いて計算する方法とそれぞれを応用したHMSの証明を紹介する。
共催先端的代数学融合研究部門 野田代数セミナー,MaSCE Seminar
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