講演者 | 大沢健夫氏(名古屋大学) |
題目 | ディリクレ問題とレビ問題 |
日時 | 2024年10月16日(水) 16:30~17:30 |
場所 | 東京理科大学野田キャンパス4号館3階数理科学科セミナー室 |
概要 | 17世紀に天体力学における数学的方法が発達し、18世紀にオイラーらにより変分学的方法が導入され、19世紀にはそこからガウスやグリーンらによりポテンシャル論が生まれた。1850年、ディリクレは与えられた連続関数を境界値にもつ調和関数が球体上ではポアソン核を用いて表せることを示した。ディリクレ問題はこの結果を一般領域へと拡張することを目指すものである。19世紀には一変数の複素解析が大いに発展し、20世紀に入ってからはワイルらによってリーマン面上の複素解析がポテンシャル論的方法で再構成された。 一方、1906年のハルトークスの論文に始まる多変数複素解析は岡潔、H.カルタン、グラウエルトらの活躍により基礎理論の大要が明らかになった。レビ問題の解決はその中心的なものであったが、1960年代に入ってから、ワイルの理論を高次元の複素多様体上へと一般化した小平の方法がレビ問題にも応用できることが判明した。その先の展開に関しては講演者の論文だけでも100以上あるが、講演ではこのような歴史と最近の展開の中からいくつかのトピックを選び、エピソードなども交えてお話ししたい。 |
Department of Mathematics
目次