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理二の学生・OBOG・先生が語る 理科大Voice理二の学生・OBOG・先生が語る 理科大Voice

留学に必要なのは語学力よりも,好奇心や勇気などの精神力

  • 学生
  • 竹澤 宏顕さん(理学部第二部数学科4年生)

1.留学の動機

 保険会社で数学を使った仕事をしたいと考え、保険業界でどんなスキルが必要かと考えた時、語学力が必要であることにたどり着き留学を決めました。また、海外の文化を知りたい、日本の文化を諸外国の方々に知ってもらいたかったというのも動機の一つです。特に私はラーメンが大好きで、ラーメンの魅力を知ってもらいたいという気持ちで留学に行きました。

2.生活

 留学先で生活する際、ホームステイか学生寮のどちらかの環境を選ぶことができました。自分で家事を全てこなさなければならなかったこと、時間を自由に管理して使えたこと、様々な国籍の人たちと交流を図れるのではないかと考えたので私は学生寮を選びました。学生寮は二階建ての一軒家で一階は男性が住み二階は女性が住むといった形式でした。部屋は一人部屋から四人部屋までありプライベートな空間が欲しい方やそうでない方まで様々な要望に応えられる寮となっておりました。またリビングルームはとても広く、週末はそれぞれの国の代表的料理を作り共有するといったホームパーティをして楽しんだり、映画鑑賞といったことをリビングルームで行っていました。

 家の近くは自然豊かで、リスが家の周りに棲息しているような環境でした。大型スーパーなども家の近くにあり、生活必需品には困ることがなかったです。実際に暮らしてみても、生活する上での不便さはなく、様々な国の人と交流を深めることができ、非常に有意義な時間を学生寮で過ごすことができました。一時期家の中が20人という大所帯となり、朝はキッチンやバスルームの取り合いで慌ただしかった時期があったのですが、私はこの慌ただしかった時間が一番海外にいるなと実感できた瞬間だったので本当に楽しかったです。留学を終えて学生寮を選択したことは正しかったのだと心から思いました。

 通学手段は、学生寮の近くのバス停から学校まで45分の直通のバスがあったので主にこの交通手段を利用しました。通学中は、外の景色を無心で眺めたり、図書館で借りた本の読書や前日に学んだことを復習したりといった時間の使い方をしました。学校はダウンタウンの中心部にあり毎週月曜日から金曜日の8:30から15:30まで授業を行い、午前中は14段階のレベル別のクラスの中で、グラマー、リスニング、スピーキングの分野をレベル別の教科書を使い勉強していました。特にスピーキングの部分は自分の考えをクラスメイト全員の前で発表する機会が多く設けられていたのでいかに自分の考えを聞き手に理解してもらえるかという部分で勉強になりました。宿題は作文が多く、もし、宝くじに当たったら何をしたい?や自分の人生に影響を与えた人物を指定された文法を使って書いたりといった宿題がありました。午後の授業は、自分の伸ばしたいスキルや、映画、ファッション、時事問題の議論などの分野を選択できる授業の形式となっていて、私が留学していた時期はちょうどポケモンGOが世界中で流行っていた時期なのでポケモンGOが流行ることの問題点などを話し合う非常にトレンドな授業もあったりしました。学校終わりは友達と市内の有名な観光地巡りや図書館で勉強して過ごしたりしていました。

 また学校には1ヶ月に一回レベルチェックテストというものがあり、ライティング、グラマー、リスニング、スピーキングの4つのスキルを厳密に評価するテストがあり、一定の点数を取るとレベルアップできる仕組みとなっており語学力向上に対するモチベーションを上げるという意味で大きな効果をもたらしていました。休日は留学中にしかできないことがしたかったので、家の近くの海に行って泳いだり、ラグビーの試合観戦をしたり、ストリートホッケーといった北米特有のスポーツに参加したりして休日を過ごしていました。

3.楽しかったこと

 22歳で再び少年時代を思い出させるようなわくわくした体験をさせていただきました。時差ぼけがある留学初日からプールに誘われ片言の英語でコミニュケーションをとったり、ピザを宅配で呼んでみたり、初日から新しいことだらけで驚きの連続でした。学校生活が始まってからも常に新しい体験が多く、このわくわくは留学が終わるまで途切れることは全くなかったです。

 また語学の上達につれ自分の伝えたいことの幅が広がったことを実感することができました。最初の1~3ヶ月は誘われることが多く受け身の返答が多かったのですが、語学力の上達につれ自発的に誘う回数や自分の考えを理解してもらえる回数が増えました。例えば家から100km以上先の観光地へ行こうと誘ったり、その観光地にいくためにはどのような交通手段を使えばベストなのだろう、観光地ではどんなことをしたいなどの計画を立てている時、自分の伝えたいことを実際に伝えることができたので、伝えたいことの幅が広がったことを実感することができました。伝えられる幅が広くなることで、自分の考えや性格をより聞き手に理解してもらうことができたので本当に充実した生活を送ることができました。

 そして日本の自然とはまた一味違った、雄大な自然を体験することができました。アメリカとカナダの国境にあるロッキー山脈に4日程行って来たのですが、雪山をZeep Carを使って登ったり、1℃のエメラルド色の湖で泳いだり、キャンプファイヤーをしながら、自分の国の数字を教えたり、ゲームに興じたりといった、自然の美しさや自然と共存する魅力を切に感じとり体験することができました。またロッキー山脈だけではなく、他の場所でもこういった自然を体験することができました。私は約4年間東京を中心に生活していたので、都会の喧騒から抜け出し、時計を見ない、自然豊かな環境の中での生活も悪くないと、この体験から感じました。

4.大変だったこと

 最初の数ヶ月はやはり大変でした。私は、初日の授業で先生の自己紹介しか聞き取ることができず後は授業を唖然とした表情で覗いていただけでした、それが悔しくて、毎日日記を書き先生に見せて添削をしてもらったり、宿題を他の人より多くもらったり、学校終わりに先生とご飯にいったり、ありとあらゆる方法で語学力の改善に取り組みました。ですので最初の数ヶ月をどのように向き合って乗り越えていくかによって、今後の語学力の向上や生活を楽しめるかに関わってくるのではないかと思いました。

 それから日本の文化を伝えることが難しかったです。ラーメンを諸外国の方々に食べて、好きになってもらいたかったという思いでラーメンを友達に勧めました。アジアの友達にラーメン行こうよと誘ったら、意外とラーメンの認知度は高く一緒に食べてくれたことが多かったです。しかし欧州の友達にラーメンに行こうよと誘ってみても、なにそれ?と一蹴されました。もともと食に対する意思が固く、人が勧めた料理をあまり食べない傾向が欧州の方々に見受けられました。スープパスタの一種だよと言っても全く興味を示してもらえなかったですし、写真を見せてもこれは食べ物なのか?と言われ、正直悲しかったです。私はどうしても食べて欲しかったので、もし食べてみて嫌いなら奢るよと提案して無理やり連れて行きました。一回ラーメンを食べてからは、ラーメンの魅力を伝えるのは容易でした。逆にラーメン屋に誘われるくらいラーメンを好きになってもらえたので嬉しかったです。

5.留学から学んだこと

 話す上で、文法の完璧さを求める必要はないことに気づきました。コミュニケーションをとる際、どうしても日本人は頭の中で完璧な文法を作り上げてから話してしまう傾向にありました。私も完璧な文法を使いたい一心で最初は話すように心がけていました。ただどうしても完璧な文法で話そうとすると、考える時間が長くなるので相手の言ったことに対して間ができてしまう。その間が聞き手にとってストレスになってしまうということに気づきました。完璧な文法を追い求めるあまり、伝えるという本質を見失っていることにも同時に気づかせてくれました。もちろん完璧な文法で話せるに越したことはないのですが、伝えたいという気持ちがあれば、多少の文法の間違いは、きっと聞き手が汲み取ってもらえるはずです。

 個人の努力はグローバルの世界でも認めてもらえることなのだと学びました。苦しかったことで述べた通り、私は様々な方法で語学力の向上に取り組みました。その結果、1ヶ月に一度学校の先生全員が選ぶMVPをいただくことができました。もちろん賞をいただいたことは嬉しかったのですが、それ以上に語学力を向上させたい思いで努力を続ければ、きっと国籍、年齢、性別に関係なくグローバルな世界で認めてもらえることに気づくことができたところが嬉しかったです。

6.留学を検討している方へ

 もし行くことが可能であるならばぜひ挑戦して欲しいです。なぜなら語学力の改善が図れるだけではなく、コミュニケーションに対する価値観を変えることができ、様々な国と日本を比べることによって自分の国を俯瞰的な目線で見ることができ、いいところや悪いところを再認識させてくれる、より何かを学びたいという強い思いを留学から得られるからです。また留学にいく際、語学レベルの有無はあまり関係ないと思いました。実際私は留学にいく直前、中学校で学ぶ不定詞を間違える程文法力しかなかったですし、リスニングは自己紹介しか聞き取ることができなかったです。留学を終えて文法やリスニングの能力を測るTOEICのスコアは820点でスピーキングに関しては自己紹介や昨日何してた?レベルから新聞やファッションの内容を議論するレベルまで上げることができました。ですので留学にいく際必要なのは、語学力の有無よりかは、もっと話せるようになりたい、海外の文化を知りたいといった、好奇心や勇気等の精神力の部分が必要であると私は思いました。

留学に必要なのは語学力よりも,好奇心や勇気などの精神力

留学に必要なのは語学力よりも,好奇心や勇気などの精神力

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