宮本研究室

研究室概要

「3人組で対戦するゲームを7人で遊びたい。皆が公平に対戦できる(自分以外の人とは必ず1回ずつ対戦し,各人は3回のゲームを行う)ような組合せを考えなさい。」というような問題は,離散数学の分野で組合せデザインと呼ばれています。パズルのような数学ですが,実験計画法と呼ばれる統計分野や情報通信技術の基礎となる符号理論や暗号理論へ応用することができます。本研究室では,新しい情報技術へ組合せデザインを応用することを目指し研究を行っています。

教員

宮本 暢子 教授

■ 出身大学:1993年 大阪女子大学学芸学部応用数学科 卒業
■ 出身大学院:1998年 筑波大学大学院社会工学研究科経営工学専攻博士課程 修了

■ 取得学位 筑波大学 博士(経営工学) 課程

■ 研究職歴:
1998-1999 筑波大学経営政策科学研究科経営システム科学専攻 準研究員
1999-2007 東京理科大学理工学部 情報科学科 助手
2007-2008 東京理科大学理工学部 情報科学科 助教
2008-2012東京理科大学理工学部 情報科学科 講師
2012-2019 東京理科大学理工学部 情報科学科 准教授
2019 - 東京理科大学理工学部 情報科学科 教授

■ 研究キーワード : 組合せデザイン

■ 研究分野:
・数学基礎・応用数学 (離散数学:組合わせデザイン,符号,暗号の数理)

■ 研究課題;
・組合せデザインの構成
・組合せデザインのグループテストへの応用
・組合せデザインの深層学習への応用
・認証暗号・秘密分散共有

研究内容

組合せデザイン及び配列の構成とその応用

組合せデザインや直交配列などといったバランスのよい離散構造の構成問題に代数学や有限幾何といった数学を用いて取り組んでいます。組合せデザインは,統計学における実験計画法において,より少ない実験回数でより精度の高い推定値を得ることを目的として,その有用性が見出されて発展してきた組合せ論の一分野ですが,符号理論・暗号の理論などの情報科学の分野とも非常に密接な関係があります。
近年では,組合せデザインの情報科学分野への応用の一つとして, 深層学習に用いるための組合せ構造について研究しています。深層学習において学習の度にランダムに非活性化させるノード(コネクション)を選び,毎回異なる重み付けをすることで汎化性能を高めるドロップアウト法およびドロップコネクト法と呼ばれる手法があります。これらの手法に用いるためドロップアウトデザインと呼ばれる組合せ構造を新しく提案し, その有効性について研究しています。