佐藤研究室

研究室概要

生命情報学とは、情報論的手法を使って生命現象を解明する研究分野です。本研究室では、生命現象解明の基礎となる遺伝子やDNAに刻まれた情報のありさまを、情報量や符号といった情報理論の基本概念を通して調べます。そして、現在観察できる生命の存在形態、生命(体)の情報の伝達と処理の仕方、生命の変化の力学などを表現する生命特有の数理を考えます。
主に、分子配列データ解析、ウイルスの分子配列の符号構造と変化予測、難治性がんの予後因子の同定に関する研究を進めています。

教員

佐藤 圭子 准教授

■ 出身大学:東京理科大学理工学部情報科学科
■ 出身大学院:東京理科大学理工学研究科情報科学専攻
■ 取得学位:東京理科大学 博士(理学)

■ 研究職歴:
・国立沼津工業高等専門学校制御情報工学科 助手
・東京理科大学理工学部情報科学科 助手
・東京理科大学理工学部情報科学科 講師

■ 研究分野:
・分子配列データ解析(アライメントアルゴリズム、進化の数理モデル、解析ツール作成等)
・ウイルスの分子配列の符号構造と変化予測
・遺伝子の発現および変異パターンによる難治性がんの予後因子の同定

研究内容

生命現象への情報論的アプローチ

■ 分子配列データ解析
対象とする分子配列において、進化の過程でどこに変化が起きたのかを明確にするための操作であるアライメントの精度を改善するための手法を考えたり、生物種の進化を引き起こす配列変化の数理モデルを考えたり、それらをもとに進化や分類を系統的にとらえるための分子系統樹の作成法を考えたりしています。

■ ウイルスの分子配列の符号構造と変化予測
4 種類の塩基からなる DNA の塩基配列は各生物固有の構造をもった符号であると考えられます。情報通信における様々な人工的な符号を用いて、ウイルスの分子配列に蓄えられた規則を探り、そのウイルスの配列変化の予測を行っています。

■ 難治性がんの予後因子の同定
がん患者の的確な診断や予後分類のためのバイオマーカーを同定し、標的治療法の将来の開発のための基礎を築くことを目的として、がん患者の遺伝子発現や変異パターンの包括的な解析に情報論的手法や統計的手法を適用して研究を進めています。