研究

研究対象

研究室では、以下のサイエンスを「4つの柱」として重点的に研究に取り組んでいます。

以下の天体を対象にしています。

  • 木星氷衛星エウロパ、ガニメデ:表層、内部海の進化
  • 土星氷衛星エンセラダス:表層、内部海の進化
  • 土星衛星タイタン:大気中の生命前駆物質合成、海洋・大気進化
  • 火星・地球大気:大気中の生命前駆物質合成、海洋・大気進化
  • 火星衛星:表層の進化、生命前駆物質合成・解離
  • 水星・月:表層における水生成、表層電磁環境
  • 系外惑星:オーロラのモデリングと観測による大気と磁場の存在実証
  • 木星:磁気圏、オーロラ
  • 土星:磁気圏、オーロラ
  • 木星の火山衛星イオ:火山活動、大気散逸

研究室主宰者(木村)は今まで、木星型惑星(木星・土星)周辺の宇宙(オーロラ、磁気圏)や氷衛星の表層・内部の環境の物理を研究してきました。研究と並行して、欧米の惑星探査機や、国内外の宇宙望遠鏡のミッションに参加し、開発・運用を行ってきました。近年は、地球型惑星(火星・金星・水星)、それらの衛星、系外惑星の探査にも参加しつつ、研究を開始しています。

木星、磁気圏、氷衛星ガニメデ、エウロパ、火山衛星イオの概念図(JUICE Red Book)

研究手法

  • 惑星や衛星の磁気圏・大気・表層の相互作用を再現するプラズマ照射実験。
  • 惑星の大気や磁気圏等の環境を模擬した数値実験や数値モデル開発。
  • 惑星探査機、人工衛星、地上望遠等を用いた惑星や衛星の観測と、得られたデータの解析。
  • 人工知能を使った惑星・衛星の大規模観測データの解釈等の数理的アプローチ。
研究対象の一つである木星オーロラと、観測に用いている惑星分光観測衛星「ひさき」とハッブル宇宙望遠鏡(©JAXA)

研究プロジェクトの例 

  • 氷衛星の生命環境:プラズマ照射実験により、氷衛星の内部海から噴出した物質の表層での変性を模擬し、氷衛星の内部海の進化や組成を解明して、生命存在可能性を検証する。
  • 火星の生命前駆物質:プラズマ照射実験により、火星大気が衛星へ降り積もる過程や火星大気でのアミノ酸やペプチド・タンパク質の非生物的合成を再現し、火星の海洋・大気進化や生命前駆物質の進化を解明する。
  • 系外惑星オーロラ:系外惑星オーロラの発生過程の数値モデルの開発や、電波望遠鏡によるオーロラ電波の検出手法の開発を通して、オーロラ電波を検出を狙い、系外惑星の大気や磁場などの生命環境の存在を実証する。
  • 月・水星の水:希薄な大気しか持たない月や水星に太陽風の水素が吹きつけ、表層物質と相互作用することによる水生成過程をプラズマ照射実験により模擬し、永久影に蓄積される氷の水源としての有意性を検証する。

共同研究機関

  • 国内の研究機関
    JAXA、東北大学、東京大学、京都大学、国立天文台、熊本大学 等
  • 海外の研究機関
    NASA、ESA、パリ天文台、ウプサラ大学、ハーバード・スミソニアン天体物理学センター、コロラド大学、アラスカ大学、中国科学アカデミー 等

参加している探査ミッション

主要な研究成果のプレスリリース