理学部第一部

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数学科
横田研究室
(微分方程式)
横田 智巳 教授
解析学
導関数を含む方程式は微分方程式と呼ばれ、さまざまな現象を記述できます。本研究室では、解を具体的に表示することが困難な微分方程式について、方程式の形から解の存在や性質に関する予想を立てて研究しています。例えば、時刻を変数とする関数の微分方程式は、時間の経過に伴うある量の変化を記述しています。そのような方程式に対して、時間が十分経過したときの解の様子を調べることにより、未来の状況が解明できることになります。
数学科
太田研究室
(非線形偏微分方程式論)
太田 雅人 教授
解析学
非線形波動現象に関連する非線形偏微分方程式、特に、非線形シュレディンガー方程式や非線形クライン・ゴルドン方程式の孤立波解の安定性および不安定性を、関数解析、変分法、スペクトル理論などを用いて研究しています。
数学科
金子研究室
(確率過程論)
金子 宏 教授
確率論 解析学
ディリクレ空間が持つ意味も範囲が広くなり、総合的な確率過程論という形態になってきています。ディリクレ空間は対称性を利用してつくり出せ、幾何学、複素解析学、フラクタルに応用できるのが利点です。ディリクレ形式の適用範囲も広くなり、総合的に確率過程論を推進するための理論になっています。
数学科
㓛刀研究室
(有限群のモジュラー表現論)
㓛刀 直子 教授
代数学
群とは基本的な代数系の一つです。群の表現論とは、与えられた群の要素を逆行列を持つ行列に表す写像の性質を研究する分野です。本研究室では、有限群のモジュラー表現論における可換不足群予想と呼ばれる予想を中心に研究しています。
数学科
加藤研究室
(偏微分方程式,数理物理学)
加藤 圭一 教授
解析学
高校で習う質点の力学(ニュートン力学)は、変数が1つの微分方程式で表されますが、電磁波を扱う電磁気学、水の波などを扱う流体力学、ミクロな現象を記述する量子力学はすべて変数が2つ以上ある微分方程式(偏微分方程式)で表されます。偏微分方程式を数学的に研究することが本研究室の目的です。
数学科
木田研究室
(整数論)
木田 雅成 教授
代数学
整数の性質や方程式の整数解などを研究するのが整数論です。問題自体を理解するのはやさしいけれども、それを解決するためにはしばしば非常に深く高度な理論が必要になる、とても面白い分野です。整数論にもいろいろありますが、本研究室では主に代数的整数論を研究しています。多項式の根になっているような数を代数学、幾何学、解析学などさまざまな手法を使って研究するのが代数的整数論です。最近はガロア群の同質類に基づいた代数体の分類を研究しています。
数学科
小池研究室
(微分幾何学,幾何解析)
小池 直之 教授
幾何学
本研究室では、一般相対性理論と関係のある微分幾何学を研究しています。一般相対性理論において、時空として取り扱われるローレンツ多様体の一般概念である擬リーマン多様体という空間内の擬リーマン部分多様体という図形を主に研究しています。この図形の研究には平均曲率流やリッチ流という図形や計量の時間発展も用いられます。また、物理学におけるゲージ理論と関係のある無限次元部分多様体論の研究も行っています。
数学科
田中研究室
(変分法)
田中 視英子 准教授
解析学
変分原理として知られるFermatの原理(光は最短経路を進む)やディリクレ原理、また、測地線、最短降下線などさまざまな所に変分問題が現れることが知られています。これらの問題は、関数を定義域に持つ実数値関数(汎関数)の最小値をとる解(関数)を求めることによって解くことができます。本研究室では、汎関数の極値を調べて微分方程式の解の存在を示すことを行っています。汎関数のグラフの形状を調べることが大事になってきますので、位相的な手法も関連する研究分野となっています。
数学科
山川研究室
(複素幾何学)
山川 大亮 准教授
幾何学
現代数学では、図形や方程式、関数といった数学的対象を、それ自身ある高次元の図形(モジュライ空間)の中の点と捉えることがあります。これによって、考えている対象の変形を、モジュライ空間内の点の移動として扱うことができます。本研究室では、特にコンパクトリーマン面上の有理型接続のモノドロミー保存変形を、モジュライ空間の複素シンプレクティック構造を用いて研究しています。
数学科
大山口研究室
(低次元位相幾何学)
大山口 菜都美 准教授
幾何学
結び目とは3次元空間に埋め込まれた円周のことで、連続的に動かして移り合う二つの結び目は同じものとみなします。与えられた二つの結び目について、一方からもう一方へ実際に変形できれば同じ結び目であると示せますが、異なる結び目である場合に、そのことを数学的に示すためには不変量という道具が必要です。さまざまな不変量を使って、結び目やその拡張である空間グラフの性質を明らかにする研究を行っています。
数学科
中川研究室
(教材研究,指導法開発,授業研究)
中川 裕之 准教授
数学教育
数学の教え方・学び方を研究するのが数学教育学です。本研究室では、数学や教えることが好きな学生や教員を目指す学生が、数学の教え方に関する最先端の知識や方法を修得しています。数学は人間の叡智の集まりです。そのように価値ある数学だからこそ、数学を分かりやすく教える方法はもちろんとして、ものの見方・考え方を含んだ人間形成に資する価値ある内容について数学を通して学ぶ教育の在り方を研究しています。
数学科
吉川研究室
(整数論)
吉川 祥 講師
代数学
代数学専攻と書いてはいますが、代数的な手法や対象にとらわれず、幾何学的な対象(代数方程式で定義される多様体など)と代数学的な対象(ガロア群の表現など)と解析的な対象(モジュラー形式や保型表現など)それぞれが研究テーマです。これらの対象の間には深遠な関係があると予想されており、その関係を確立することをはじめ、この予想を指導原理としてそれぞれの対象について面白い性質を導いたり発見したりする研究をしています。
物理学科
松下研究室
(X線天文学)
松下 恭子 教授
地球惑星・宇宙系 宇宙物理学
宇宙空間を満たす数百万度から数千万度の高温ガスからのX線を観測することにより、恒星やブラックホールから宇宙最大の天体銀河団まで、その進化を探ります。
物理学科
鈴木研究室
(ハドロンを中心とする素粒子・原子核物理)
鈴木 克彦 教授
原子核・素粒子系(理論) 理論物理学
私たちの世界を構成する最小単位の粒子であるクォークやレプトンを対象とし、真空や時空の構造・対称性、力の性質などについて探求し、極限での物質の姿や宇宙・天体現象の理解を試みています。
物理学科
吉原研究室
(超伝導回路を用いた量子力学実験)
吉原 文樹 教授
マイクロ波量子光学 量子情報系(実験)
超伝導量子回路上に発現する量子力学特有の状態を自在に扱うことを目指しています。究極の目標は超伝導量子コンピュータの実現です。
物理学科
二国研究室
(極低温量子気体の理論)
二国 徹郎 教授
物質科学系(理論) 理論物理学
原子気体を1μK以下まで冷却すると原子が量子力学的な波として振る舞い、超流動と呼ばれる特異な現象が起こります。このような極低温の物理現象を理論的に研究しています。
物理学科
山本研究室
(量子輸送現象,エネルギー変換物質,ナノ物質科学)
山本 貴博 教授
物質科学系(理論) 理論物理学
私たちの研究室では、様々な物質の性質を理論物理学と計算科学とデータ科学を駆使して解き明かし、各々の物質が示す多彩な物性現象の背後に隠れた普遍性や法則性を探究しています。
物理学科
坂田研究室
(低温物理,表面物理)
坂田 英明 教授
物質科学系(実験) 量子物性物理学(実験)
原子レベルで物質を調べることによって、極低温で起こる、電気抵抗がゼロ、磁場を通さない等の特異な性質を示す超伝導という現象の理解を目指しています。
物理学科
徳永研究室
(ナノスケール分光,光水素発生)
徳永 英司 教授
物性実験 物質科学系(実験)
光とは何か、を問うことで物理学は発展したといってよく、光物理学は現代も新発見が相次ぎ、革新を続けています。一緒に光の無限の可能性を開拓しませんか。
物理学科
満田研究室
(磁性物理学,中性子散乱)
満田 節生 教授
物性物理学(実験) 物質科学系(実験)
物質の多様な性質をもたらしている電子のスピンに由来する磁気モーメントの空間配列や動的な振る舞いを見抜く中性子散乱と呼ばれる実験手法を基軸に物性研究を行っています。研究用原子炉や加速器から取り出した量子ビームである中性子ビームを使う中性子散乱実験はとても強力で、磁性と誘電性が相関する現象の解明や、量子力学的効果が顕著な低次元量子スピン系のダイナミックスの探査に威力を発揮します。
物理学科
川村研究室
(物理教育,自然エネルギー)
川村 康文 教授
サイエンス・コミュニケーション 物理教育 物理教育系 自然エネルギー
将来,学校の先生になりたい方のための物理実験機の新規開発をやっています。また,3.11以降に,以前にもまして,注目を浴びている自然エネルギーのうちの太陽電池と風力発電機を作っています。
物理学科
木村研究室
(惑星圏物理学,宇宙プラズマ物理学)
木村 智樹 准教授
地球惑星・宇宙系
広い宇宙の中で、惑星と衛星がなす系は、生命を育む環境が発生する可能性が最も高いと考えられます。我々は、惑星−衛星系の構成要素である宇宙・大気・海洋・天体内部の物理過程を、実験、直接探査、遠隔観測、データ科学、理論を総動員して解明します。
物理学科
佐中研究室
(光デバイス,光回路,光子統計)
佐中 薫 准教授
量子光学 量子情報系(実験)
光の粒子である光子の不思議な相関関係を利用して、解読不可能な量子暗号システムや、高速の演算処理を可能にする量子コンピュータを実現することをめざしています。
物理学科
サッドグローブ研究室
(ナノ領域の輸送実験)
Mark Paul Sadgrove 准教授
物性実験 量子情報系(実験)
ナノ構造近傍の近接場光は日常の光と特性が違います。このナノ光学領域では、光と物質の相互作用に新たな可能性が生まれます。ナノ光ファイバの基本技術に基づき、原子、粒子、及び光の粒(光子)の移動を研究しています。
化学科
由井研究室
(物理化学,界面/溶液化学,分光学)
由井 宏治 教授
分析化学 物理化学
物質の表面や界面といった局所空間に存在する水は、身の周りに普遍的に見られ、表面や界面の構造や性質に大きな影響を与えています。生体分子も、このような水と協奏しながら、生命活動を支えています。しかし水と物質が創り出す界面・ナノスケールの特徴的な構造や性質をあるがままに計測するのは一般的に難しく、まだ解明されていないことが数多く残されています。われわれは従来法の困難を克服する新しい計測手法を開発することで、これらの特徴的な構造や性質の起源に迫ります。
化学科
井上研究室
(化学実験教材の開発)
井上 正之 教授
化学教育
本研究室では、主に高等学校の授業で使う化学実験の開発を行っています。高等学校の化学実験には、濃硫酸のような「危ない」薬品を使ったり、多量の重金属イオンを含む廃液が出たりするものが多くあり、実験が学校で敬遠される理由の一つになっています。私たちは、危険な薬品の使用を避けた安全でクリーンな実験や、注目されている面白い素材を使った実験を開発して、教育の現場に提供していきたいと考えています。「安全と環境に配慮した実験教材の開発」、これが私たちのテーマです。
化学科
斎藤研究室
(超分子化学,構造有機化学)
斎藤 慎一 教授
有機化学 有機金属化学
7-9個の原子からなる環状の有機化合物(中員環化合物)は医薬品等によく見られる構造ですが、その合成は比較的困難です。本研究室ではこうした中員環化合物が簡単に合成できる新しい、環境に優しい(環境に対する負荷の少ない)反応を発見し、その応用について研究しています。また、インターロック化合物と呼ばれる、結合で結び付いていないユニークな構造を持った分子の合成やその物性について検討しています。さらに、金属触媒を用いる新反応についても研究を行っています。
化学科
田所研究室
(超分子錯体化学,分子機能化学)
田所 誠 教授
無機化学
生物を作っているタンパク質や超分子化合物のような、自然に組み上がる性質を持つ分子を研究対象にしています。分子の持つ弱い水素結合や配位結合を使って、分子集積体のつながり方を制御し、ユニークな構造を持つ役立つ分子や結晶を作っています。例えば陽子と電子は結合すると原子になりますが、別々に動かすと分子のレベルで動かすスイッチになります。そして、これが集合体になると特殊な力を発揮して、生物に近い機能性が現れてきます。常温常圧で安定化された人工メタンハイドレートなど、水の関わる科学などを行っています。
化学科
河合研究室
(超分子化学,構造有機化学)
河合 英敏 教授
有機化学
有機分子の中には、外部刺激に応じて形や運動性、色などを変える分子スイッチや分子マシン、ひとりでに規則正しい構造に組み上がる自己集合性分子、特定の分子を選んで捕まえるレセプター分子など、さまざまな物性を持った機能性分子が存在します。有機化学の力を使うと、多様な構造や物性を持つ化合物を独自に設計・合成することが可能になります。誰も作ったことのない未知の構造を作り出すことで、これまでにない新しい物性・機能性を持つ分子を開発(発見)し、新しい科学を切り拓いていきたいと考えています。
化学科
下仲研究室
(タンパク質による細胞機能制御)
下仲 基之 教授
生物化学
すべての多細胞生物の生命活動は、さまざまな機能を持つ細胞が協調的に働き互いに制御し合うことで成り立っています。その際に必要となるのが細胞間コミュニケーションです。細胞は、近くにあるもの同士だけではなく離れた場所にある場合も、多様な手段を用いてコミュニケーションを図っています。私たちの研究の目的は、そのような細胞間コミュニケーションに関わる新しいタンパク質を発見し、それがどのような方法で情報を伝達するのかを解明するとともに、生命活動維持に対する意義を明らかにすることです。
化学科
遠藤研究室
(有機合成反応,分子触媒の開発,元素戦略)
遠藤 恆平 准教授
有機化学
有機分子は、生命の制御だけではなく、有機ELや有機太陽光発電などの有用材料の発展に貢献する、柔軟性のある重要な物質の1つです。本研究室では、それら有機分子を駆使して、原子と原子の相互作用を活用する新しい機能の創製に取り組んでいます。従来は「原子の個性」を引き出す研究に注目が集まっていましたが、現在では「原子の個性」という制約に逆に縛られるようになりました。その個性にはない機能を、有機分子を用いて原子と原子の相互作用で実現することが目的です。
化学科
渡辺研究室
(表面物理化学,光化学)
渡辺 量朗 准教授
物理化学 表面化学
化学反応を加速することのできる触媒の働きは、その上で分子や原子がどのように振る舞うかを調べることで理解できます。私たちは、宇宙空間と同等の清浄な超高真空環境を作れる実験装置中で、電子や光をプローブとして用いて、分子や原子が固体表面上で起こす化学反応を調べています。例えば、重要な物質である水素、反応しにくい物質である貴ガスなどが、金属に接触することで起こす変化や反応を研究しています。
化学科
榎本研究室
(物性化学,錯体化学)
榎本 真哉 准教授
無機化学
さまざまな機能性物質開発のためには、物質合成、物理的・化学的な性質の測定、得られたデータの解釈に基づく、さらなる物質開発へのフィードバックというプロセスが重要になります。特に物質の性質を決めるのに重要な役割を果たす“電子”の働きに注目して、さまざまな金属原子や有機配位子を用いて錯体などの分子集合体を構築し、集合体になることで単独のパーツでは現れない、磁性、伝導性、光物性、熱物性などが複雑に絡み合う、新たな物理的性質を持つ物質の開発を目指して研究を行っています。
化学科
大坪研究室
(無機化学,錯体化学)
大坪 主弥 准教授
無機化学
金属イオンと配位子から組みあがる金属錯体は、共有結合や水素結合等と比べて、「強すぎず、弱すぎない」配位結合で構成されていること、また、金属イオンと配位子の組み合わせは無限と言っていいほど膨大であることから、単純な無機化合物と異なり柔軟性や設計性の高さを生かした多彩な物質デザインが可能になります。当研究室では、このような金属錯体に着目した固体物性化学に関する研究を行っています。新しい合成・反応手法や機能発現手法を駆使して新奇化合物を創出し、その物性を解き明かしたいと考えています。
化学科
菱田研究室
(コロイド,界面化学)
菱田 真史 准教授
物理化学
リン脂質や界面活性剤、高分子、タンパク質などの分子は、水中で様々な凝集構造を形成することで様々な機能を発現します。こういった分子の「自己組織化」を物理化学的に理解することから、界面活性剤などの化合物の性質だけでなく、生体膜やタンパク質などが関わる生命現象の理解にも迫ります。大型放射光を用いたX線散乱、特殊な分光法、様々な顕微鏡観察、熱分析など、多角的な研究手法を駆使することで、化学と物理学、生物学の壁を飛び越えながら未知の問題にチャレンジしています。
化学科
森研究室
(理論化学,計算化学)
森 貴治 准教授
物理化学 計算化学
多くの分子はその構造や状態に起因する機能を有します。例えば、生体分子の1つであるタンパク質は、構造を変化させることによって酵素反応などの生命機能を発揮します。しかしながら、最先端の顕微鏡を以ってしても、分子の構造変化を実験で直接観察することは困難です。私たちは、生体分子や機能性材料を対象として、スーパーコンピュータやAIを駆使しながら、主に計算機シミュレーションに基づいて分子の構造動態を理論予測し、CGとして可視化することで、分子機能の発現機構を原子レベルで理解することを目指しています。
応用数学科
瀬尾研究室
(データ解析,多変量解析)
瀬尾 隆 教授
数理データサイエンス分野 統計科学
統計科学は、自然科学や社会科学を問わず多くの分野で取り扱われる「データ」という情報に確率的要素を加え分析することによって、複雑な現象を解き明かしていく分野です。また、大量のデータ(ビッグデータ)の中から本質的な情報を取り出し分析する分野でもあります。本研究室では、データサイエンスの統計理論である多次元データを取り扱う多変量統計解析の理論や分析法の研究を行っています。特に、データ解析の中では、データが何らかの理由で欠落している場合が多く、このような欠損値を含むデータの下で、データ情報を有効に活用する統計的手法の開発を行っています。
応用数学科
石渡研究室
(線形計算,遅延微分方程式)
石渡 恵美子 教授
数値解析 数理モデリング分野 計算数学
自然現象などの数値シミュレーションは、現象を微分方程式などの数理モデルで表し、離散化などによる近似方程式(連立一次方程式など)を数値計算法で解いて、現象の理解や予測へとつなげます。この根底に数値解析があります。本研究室では、物理や生物モデルに現れる時間遅れをもつ微分方程式の数値計算や安定性解析、ある種の離散可積分系の数値計算への応用、離散化による連立一次方程式の数値計算などを取り上げています。
応用数学科
関川研究室
(計算数学,計算機代数,数値数式融合計算)
関川 浩 教授
数式処理 知能数理分野 計算数学
コンピュータに因数分解や積分などの数学的な計算をさせるためには、数学やコンピュータサイエンスのいろいろな理論が必要です。そういった理論を基に、MathematicaやMapleなどの数式処理システムと呼ばれるソフトウェアが作られています。本研究室では、主に代数学の分野で、数式処理システムの基礎となる理論の研究、数式処理システムを用いて人手ではとてもできないような計算をコンピュータに実行させる実験、科学や工学へ代数学を応用する研究などに取り組んでいます。
応用数学科
橋口研究室
(数理統計)
橋口 博樹 教授
数理データサイエンス分野 統計科学
統計学は、経済学、社会学、情報学、生命科学などさまざまな分野で行われるデータ解析の基礎となる学問です。本研究室では、統計学の数学的モデルを、個々の問題にとらわれることなく抽象的に扱い、研究します。例えば、複数科目の得点に関する分析方法、携帯電話などの無線通信の数理モデル、画像認識技術には、数学的に非常に多くの共通点があります。これらの事柄に対して個別に取り組むのではなく、一つの数学的モデルとして研究することにより、数理モデルでの解法が現実問題へ適用可能になります。
応用数学科
村上研究室
(ノンパラメトリック法,数理統計学)
村上 秀俊 教授
数理データサイエンス分野 統計科学
統計学は、さまざまな分野にわたって活用されています。現代社会では環境問題が大きく取り沙汰されており、生態統計学などが注目されていますが、どのような母集団分布から得られたデータか仮定することは困難です。本研究室では、ノンパラメトリック法と呼ばれる母集団分布に依存しない統計手法の理論構築や分析法の開発などの研究を行っています。データ解析では、興味ある分野のデータにノンパラメトリック法を適応し、その中で出てくる問題を解決しながら、さらに良い分析ができるような統計手法の開発を行います。
応用数学科
黒沢研究室
(応用統計学,応用確率論)
黒沢 健 教授
数理データサイエンス分野 統計科学
世の中の現象はしばしば数理モデルによって表現されます。でたらめに見えるデータから規則性を知的発見することで、何が目的対象物に対して作用しているか、統計学の手法を使って推論することができ、現象を表現する新しい数理モデルの構築や統計的性質の解明が可能となります。特に本研究室では統計モデルの中で分類モデルに注目しています。分類モデルとは、例えばメールのスパムメール判別、天気予報、人が商品を選択する際の意思決定要因などを確率モデルによって表現する判別モデルとなります。
応用数学科
松崎研究室
(意味解析,構文解析,人工知能)
松崎 拓也 教授
知能数理分野 自然言語処理
ことばの理解を中心に、人間の知的な能力をコンピュータで正確に真似することが研究テーマです。大量データをもとに知的な振る舞いを模倣する機械学習と、論理学を基礎として文法や推論の仕組みを表現する記号的モデリングが柱となる技術です。これら基礎技術の開発とそれを応用した知的システムの構築を行います。
応用数学科
柳田研究室
(情報理論,作用素論)
柳田 昌宏 教授
情報数学 数理モデリング分野
情報理論は、今日の情報技術を支える基礎理論の一つです。その中心的概念が、情報を量的に捉える尺度である、情報エントロピーです。本研究室では、情報エントロピーの基礎論とその応用について研究しています。また、次世代の情報技術といわれる量子情報技術を支える理論は、ヒルベルト空間上の線形作用素の理論がその数学的基礎となっています。本研究室では、作用素不等式とその応用を中心に研究しています。
応用数学科
小笠原研究室
(数値的最適化,アルゴリズム設計)
小笠原 英穂 准教授
オペレーションズ・リサーチ 数理モデリング分野
現象や計画などを数理モデル化するとしばしば非線形問題となり、取り扱いが難しくなります。代表的なモデルは最適化問題ですが、経済や交通流の均衡モデルなどでは相補性問題、変分不等式問題になります。近年、最適化問題の中でも最も基本的な線形計画問題が、非線形の半正定値計画問題や2次錐計画問題に自然に拡張され、これまでは扱えなかった問題にも応用されるようになってきました。こうした問題の近似解をコンピュータで効率的に計算するために、問題の構造や解法のアルゴリズムを研究しています。
応用数学科
犬伏研究室
(力学系理論,流体数理,機械学習)
犬伏 正信 准教授
応用非線形解析 数理モデリング分野
自然や社会に現れる現象(例えば、水の流れやニューラルネットワークなど)を記述する方程式は数理モデルと呼ばれます。ところが、数理モデルがわかっていても、特に方程式が非線形な場合、現象がわかる/予測ができるとは言えません。様々な数理モデルの解析を行う上で、見通しの良い視点を与えてくれる数学理論の一つが力学系理論です。本研究室では力学系理論を基に、数値シミュレーションやデータ科学の手法を活用・開発しながら数理モデルの研究をしています。
応用数学科
鍋島研究室
(計算機代数,特異点論)
鍋島 克輔 准教授
数式処理 知能数理分野
『コンピュータに高度な数学をさせる』ためのアルゴリズムの研究をしています。コンピュータが数学をするための理論は人工知能の分野と共に発達し、その研究分野は計算機代数学、数理論理学で支えられており、数式処理と呼ばれています。現在、高等学校の数学はもちろん、最新の数学研究に使える数学まで、現在のコンピュータは数学ができるようなっています。ゆくゆくは、コンピュータと数学の議論ができるようになりたいです。
応用数学科
胡研究室
(組合せ最適化問題に対する実用的な近似解法の開発)
胡 艶楠 講師
数理モデリング分野 組合せ最適化
実社会で現れる様々な問題は組合せ最適化問題として表現できます。それらは多くの場合、NP困難と知られ、現実的な計算時間で最適解を得ることは非常に困難です。その一方で、適度な精度の近似解は十分に実用的であると考えられています。このような状況で、計算方法を工夫することで効率よく近似最適解を求める解法が有用となります。解決を求められている多くの問題に対し、汎用性と柔軟性に富む高性能な解法の開発を行います。
応用化学科
駒場研究室
(次世代蓄電池)
駒場 慎一 教授
無機化学 電気化学
21世紀の環境・エネルギー問題の解決に貢献できる、新物質の創製に取り組んでいます。90年代に実用化された高性能リチウムイオン蓄電池、将来型電池としてナトリウムイオン蓄電池、カリウムイオン蓄電池に注目し、それらの電極物質の合成と充放電(酸化還元)反応に関する基礎研究を行っています。次世代自動車や電力貯蔵技術に応用できるバッテリーを念頭に、高エネルギー・高出力・長寿命特性を示す新しい二次電池および電気化学キャパシタ用材料の応用研究に取り組んでいます。さらに、電気シグナルから物質を選択的に検出する電気化学センサ、酵素反応を発電に利用するバイオ燃料電池などの研究も展開しています。
応用化学科
鳥越研究室
(生体高分子,がん,老化,ゲノム)
鳥越 秀峰 教授
構造生物学 物理化学 生物物理化学
生命の設計図である遺伝情報は染色体上の遺伝子に書き込まれています。遺伝子から作り出されたタンパク質が生命現象で重要な役割を演じています。近年、さまざまな生物で、染色体上の全ての遺伝情報を明らかにするゲノム科学の研究が盛んです。この流れの中で、本研究室では、遺伝子の実体であるDNAや遺伝子から作り出されたタンパク質など生体高分子の3次元構造を明らかにし、生体高分子同士が結合する仕組みを明らかにする研究を行っています。この研究を通じて、精緻に構築されている生命現象の分子機構を明らかにするとともに、生命現象を必要に応じて人工的に制御する方法を生み出し、薬づくりなどに役立てることを目指しています。
応用化学科
古海研究室
(有機材料化学,ナノ物質化学,ソフトマター科学,フォトニクス)
古海 誓一 教授
ナノ物質化学 物理化学
光の世紀といわれる今世紀、光技術は目覚ましい発展を遂げ、発光ダイオード(LED)に代表されるように、光を発する、すなわち発光する材料や光源は、私たちの日常生活に溢れています。本研究室では、光と物質の相互作用を考究して、液晶やゲルといったソフトな有機材料を用いた新しいフォトニックデバイスを創り出す研究に取り組んでいます。さらに、原子スケールの無機ナノ材料と有機材料を高度に融合することで、独自の有機・無機ハイブリッドナノ材料に関する学理的探究を行っています。今日、私たちが直面している環境・資源問題や社会的ニーズにも考慮しながら、高感度な圧力センサー、ソフトなレーザー光源、高効率な太陽電池など次世代オプトエレクトロ二クスに応用できる新しい研究領域の開拓を目指しています。
応用化学科
湯浅研究室
(発光材料,セキュリティー材料)
湯浅 順平 教授
光化学 有機化学 無機化学 物理化学
有機、無機化合物の発光現象に着目した、新規発光性機能材料の開発に取り組んでいます。偏光性などの特殊な性質を持った光は一部の3Dディスプレイに利用されている他、次世代の光情報技術の基盤となることが期待されています。さまざまな有機、無機化合物を分子レベルでデザインすることで、このような特殊な性質を持った光を自発的に放つ発光材料の創成に取り組んでいます。さらに、これらの発光材料の偏光性を利用したセンサやセキュリティーについても研究を展開しています。
応用化学科
川﨑研究室
(キラル化学,不斉合成)
川﨑 常臣 教授
有機化学
生体に関連する代表的なキラル化合物である「アミノ酸」の起源に関する研究に取り組んでいます。キラル化合物とは、右手と左手のように実像と、それを鏡に映した鏡像の関係にある化合物のことです。アミノ酸を化学合成すると、鏡像関係にあるL型とD型が等量含まれた混合物が得られますが、地球上のあらゆる生命はL型アミノ酸のみを利用しています(生命のホモキラリティー)。生命誕生前の地球上でアミノ酸は、「ストレッ力一反応」によって生成したと考えられており、有機合成化学の手法でこの反応に取り組み、L型アミノ酸ホモキラリティーの起源解明を目指します。
応用化学科
椎名研究室
(天然物化学,有機合成化学)
椎名 勇 教授
有機化学
近年の有機合成化学の進歩には目覚ましいものがありますが、最新の技術を駆使してさえなお構造解析ならびにその人工合成が困難な有機化合物も数多く知られています。これらの物質を大量に生産するためにはさらに効率良く各工程の反応を行うことが必要になります。本研究室ではこのような現代の有機化学の背景を踏まえ、テルペン、アルカロイドなどの天然有機化合物あるいは抗菌剤、抗ウイルス剤、抗がん剤などの生物活性化合物の立体選択的な全合成研究を主なテーマとしています。
応用化学科
根岸研究室
(ナノ物質化学,クラスター化学)
根岸 雄一 教授
ナノ物質化学 物理化学
ナノテクノロジーは、機器やデバイスの小型化、高機能化、高分解能化、高効率化、省エネルギー化を実現し、それにより、材料、エネルギー、環境、情報通信、医療といった分野で多くの問題を解決すると期待されています。そうした技術を飛躍的に進展させるために、ナノスケールの大きさを持つ高機能な物質の創製が切望されています。金属原子が数個から数百個集まった金属ナノクラスターは、そのような高機能ナノ物質として大きな注目を集めています。本研究室では、特異な物性や機能を持つ金属ナノクラスターを生み出すこと、そしてそれらを化学/光触媒や太陽電池などに応用することを目指し、研究を行っています。
応用化学科
松田研究室
(遷移金属触媒反応,選択的合成)
松田 学則 教授
合成化学 有機化学 有機金属化学
有機合成化学は、入手容易な小分子からさまざまな機能・物性を持つ高付加価値分子を作り出す手法を開発する研究分野です。私たちの暮らしを豊かにしてくれる物質の多くは、有機合成化学の進歩によってもたらされています。また、現代社会において見過ごすことのできない環境・資源・エネルギー問題の解決にも、有機合成化学の果たすべき役割はますます増大すると考えられます。本研究室では、ライフサイエンスからマテリアルサイエンスまで幅広い分野を対象として、有機合成化学に関するさまざまな課題に取り組んでいます。特に、有機金属化学の立場から新反応の開発、有用物質の創製を目指して研究を展開しています。
応用化学科
大塚研究室
(分子会合体,バイオコロイド,高分子界面,バイオマテリアル)
大塚 英典 教授
コロイド・界面化学 物理化学
ナノスケールでの生体と材料との界面反応を解明し、積極的に生体機能を操作できる物質の創出を本研究室では目指しています。生体物質(細胞・ウイルス・毒素など)と材料との応答機構を明らかにすることによって、生体信号を的確に検知するシステムの構築や、免疫診断・再生医療への応用を目指します。また、大きさや形が制御されたナノサイズの金属・酸化物粒子・分子会合体を合成し、癌をはじめとする難病の検出・治療を可能にする、ドラッグデリバリーシステム(DDS)や高機能化粧品への応用を目指します。
応用化学科
工藤研究室
(人工光合成,光触媒)
工藤 昭彦 教授
固体化学 無機化学 触媒化学
地球規模でのエネルギー・環境問題を根本的に解決する化学反応として、光触媒と太陽光を使った水分解によるソーラー水素製造が注目されています。この水の光分解反応では光エネルギーが化学エネルギーに変換されることから、人工光合成と呼ぶことができます。さらに、このソーラー水素と炭素源として二酸化炭素を用いることにより、さまざまな有用な有機物や、化学肥料に使われるアンモニアを合成することができます。本研究室では、この人工光合成の実現に向けて、水の光分解反応に高活性を示す粉末系半導体光触媒材料や光電極の開発を行っています。また、二酸化炭素を資源化する光触媒反応の研究も行っています。
応用化学科
貞清研究室
(ナノ空間化学,イオニクス材料,物質変換材料)
貞清 正彰 准教授
固体化学 無機化学 錯体化学
固体中のナノ空間を利用し、物質・イオン・電子を自在に動かすことにより、次世代のエネルギー・物質循環型社会に資する新たな機能性材料の開発に取り組んでいます。燃料電池・二次電池材料への応用を指向した超イオン伝導体の開発や、電力により選択的に物質変換を行う電解合成触媒の開発を行っています。
応用化学科
福井研究室
(植物生理学,生物有機化学)
福井 康祐 准教授
有機化学 生物化学
植物は移動ができないため、植物ホルモンと呼ばれる様々な有機化合物を作り出し、体の形や代謝を巧みに制御することで環境に適応しています。当研究室では、植物ホルモンの機能を制御する有機化合物を開発し利用することで、植物のカラダの中で起きている様々な現象を解き明かす研究を展開しています。また、それらの化学ツールを利用して革新的な植物の生産技術に結びつけていきます。