受験生の皆様、そして理学が忘れられない方々へ
- 学生
- 野田真沙衣さん 理学部第二部数学科4年生
はじめまして、2部数学科の野田と申します。社会人入学で編入し現在4年生です。年齢は31歳、社会人としては6年目です。入学の経緯、社会人学生としての生活、ゼミのことなどこの場をお借りしてお話させていただきます。
私が数学の道を検討しはじめたのは大学受験の時です。数学の道に進まなければ今後後悔するだろう
という確信めいた気持ちがありましたが、様々な事情により理学の方向に進むことは適いませんでした。数学の道にはもう戻らないつもりでおりましたが、職場での大きな出会いと本気で生きている人の人生に触れ、自分も自分に誠実に生きたい、一生懸命になりたいという想いが募り理科大への入学に至りました。
入学してからは転職し午前と午後14:30 まで仕事を行い、授業時間ぎりぎりに飯田橋に到着するような生活を送りました。正直やはり、きついものがありました。それでも何とか単位をとって最終学年までたどり着き、現在、佐藤先生の卒業研究ゼミでお世話になっています。専攻しているのは位相幾何学、トポロジーという分野です。ゼミでは、勉強してきた教科書のページを自分で黒板を使って説明します。教科書を読み解いて考察してきたことを自分の言葉で表すということは初めての経験であり、非常に刺激的なことでした。個人的に面白いと思っているのですが、同じ定理を説明しても(その正しさとは別に)伝える人によって全く違う色合いになる、と私的には感じます。人それぞれに違う数学の世界があるのだなぁ、と思います。自分の説明にはどんな色がついているのだろう、とも思います。難しいな、とうんうん悩みながら勉強するのですが、この最中に自分の視野が広がっていくのを感じます。こんな世界があったのか、こんな景色があったのか、といつも思います。
10年以上前、大学受験を終えた時分には夢にも思いませんでしたが、社会人の今、自分がここにいることが出来て良かったと心から思っています。安い学費、社会人学生が通えるような柔軟なカリキュラムが理科大にはあります。それは実際的に本当にありがたいことでした。そして、プロの数学者の先生方が私たちの本気に誠実に向き合ってくれることが、泣きたくなるほど嬉しいことでありました。
現在高校生で大学受験を控えた皆様、理科大には偏差値で測られた価値以上のものが確かにあります。期待していてくださいね。また、自分の心の大事な部分を理学の世界に預けてしまわれている方々、そのような方がおられるならば、ここには素晴らしい環境があります。おすすめですよ。