都心で本格的に理科が学べる
- OB・OG
- 東京理科大学理学部第二部物理学科卒業・河西久実さん
【自己紹介】
社会人編入試験を受けて2年次に編入し、昨年の春(2017年)、なんとか卒業することができました。卒業まで4年かかりました。
仕事は、編集者・ライター。主に子ども向けの学習ものの本やマンガをつくっています。
【理二の志望理由】
最も大きな理由は、当たり前ですが、理科(特に物理や地学)を学びたいということでした。
思い起こせば高校生のとき、進路相談で「理系に進みたい」というわたしに、担任の先生が言った言葉は「狂気の沙汰や」。当時の成績は、物理も数学も5段階の「2」で、とても理系に進める状況ではありませんでした。
その後、大学の文系学部に進み、編集者になりました。仕事と子育てで忙しい日々でしたが、理科を学びたいという気持ちは、心の奥にずっと残っていました。
そこで、下の子が高校生になり、子育てが一段落したことをきっかけに、東京理科大学理学部第二部物理学科を受験することを決意したのです。
【受験生に一言】
社会人編入試験を利用する場合、学力試験はありません。しかし、数学の基礎ができていないと、入学してからとても苦労します。物理は、大学に入学して一から学びなおすつもりでも大丈夫ですが、数学はぜひともやっておいたほうがいいと思います。
わたし自身は、受験することを決めてから、半年間、高校数学を復習しました。なにしろ高校での数学の成績が「2」な上に、30年ほど数学をやっていなかったのです。数Ⅰから始めて、数A、数Ⅱ、数Bまで勉強したところで春が来てしまい、sinθの微分がcosθになることさえ知らないまま入学。数学や物理の基礎がないため、最初の1年間は、とても苦労しました。
理科大には、土曜日に高校数学と高校物理を復習する授業が用意されています。わたしもそれを受講しました。丁寧に教えてくださいましたが、それだけでは厳しいというのが実感です。
【理二のいいところ】
都心で本格的に理科が学べることです。夜間の理学部があるのは、理科大だけです。実験器具も昼間部と同じものを使います。数千万円もする機械を使って実験できるチャンスは、なかなかありません。
仕事をしながら授業に出たり課題をこなしたりするのは、簡単ではありません。土日はレポート作成でつぶれ、週に1度は徹夜するという4年間でした。それでも続けられたのは、純粋に理科を学べる喜びが大きかったのだと思います。
平日に仕事を切り上げて大学に向かい、地下鉄飯田橋の駅から地上に出ると、校舎の壁に光る「東京理科大学」のネオンサインが目に入ります。どんなに疲れていても、その文字を見るたび、「念願だった理科を学べているんだ」と、胸が熱くなったのを思い出します。
【理二のここが変わるといいと思うところ】
「素粒子」「原子核物理学」などの専門科目は、4時10分からの1限目に入っていることが多く、社会人が受講するのは難しかったです。平日遅めの時間や土日に、もっと専門科目の授業があるといいな、と思います。