東京理科大学 TOKYO UNIVERSITY OF SCIENCE

創域理工学部 理工学研究科

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塚原 隆裕教授 TSUKAHARA Takahiro

所属学科: 機械航空宇宙工学科 学位: 博士(工学) 専門分野: 熱流体力学/数値流体力学 研究室URL: https://www.rs.tus.ac.jp/~t2lab/index-j.html 研究者DB: https://www.tus.ac.jp/academics/teacher/p/index.php?46bf

ユビキタスな熱流体現象の解明と予測を目指して、スパコン&機械学習を駆使

あらゆる熱流体輸送現象に関心を持って、多面的な研究活動を行っています。「流体力学」と「伝熱工学」を基幹とし、数値的・実験的解析に加えて、機械学習の活用を試みています。大型計算機(スパコン)を駆使して現象の本質を理解しつつ、省エネや環境保全に寄与するよう熱流体輸送の高効率化・予測・制御を目指します。

現在の研究キーワードは、「次世代後退翼」「亜臨界乱流遷移」「マイクロ界面」「ステント冠動脈」「乱流拡散源AI推定」です。

後退翼の乱流遷移を解明して、次世代の空を飛びやすく

次世代航空機での導入に向けた自然層流翼の研究開発を、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが進めています。現代の航空機における空力抵抗の大半は、航空機表面に発生する乱流の摩擦抵抗が原因です。それを低減するには、翼面上の境界層(流れ)を乱流に遷移させない(または遅らせる)ことが肝になります。

しかし、翼表面には設計上もしくは虫等の付着による微小な凹凸(粗さ)があり、さらに後退翼特有の横流れ不安定性の影響もあり、翼面上の乱流遷移は予測困難で厄介な現象です。この乱流遷移のメカニズムや発生条件を解明しなければ、効率的な次世代の翼開発が実現できません。その課題解決に向けて、当研究室ではJAXAと共同研究を実施中です。

現象解明に向けては、直接数値シミュレーション(乱流モデルを用いずに流体運動の厳密な支配方程式を数値的に解く手法)を大型ベクトル並列計算機により行い、微小な粗さ要素を引き金にして撹乱が乱流遷移を引き起こす過程を忠実に再現します。これにかかる計算負荷は膨大なもので、結果を得るのに数か月を要することもありますが、乱流モデル開発を支援する貴重なデータベースにもなります。

機械学習で、乱流中の拡散源を見つける

乱流環境下にある海洋や大気中で計測された瞬時濃度分布から、即座に物質拡散源を特定することは、重要な課題技術です。例えば、未利用レアメタルの海底鉱物資源が多く眠る熱水鉱床の探索では、深海の過酷環境下にあり限られたローカルな観測データに基づいて熱水鉱床位置を推定しなければなりません。

また、化学プラントの甚大事故やテロによる有害物質の大気流出時の迅速対応においても、放射性物質などの流出事故を考えれば、安全面の問題からその拡散源への接近が困難となる場合もあり、下流遠方の濃度分布情報に基づいて拡散源までの距離を推定する、もしくは拡散源位置と排出量を即座に見積もる技術が要求されます。そのような技術的要求に応える一案として当研究室では、近年の発展著しい機械学習・深層学習を応用し、乱流中の物質拡散源推定の技術を構築しています。

下流の濃度情報から拡散源を推定する技術構築のため、当研究室では実験やシミュレーションにより得られた乱流濃度拡散場の2次元情報(写真)を人工ニューラルネットワークに学習させ、拡散源距離または拡散時間を推論させます。入力情報の特徴やニューラルネットワークのアーキテクチャなどによって、推論精度や失敗要因が変わりますが、それらを検証・特定して、より高精度で汎用的な推定技術を目指します。

For Students

流体力学は、古典物理分野の一つかもしれませんが、あらゆる工学分野・自然科学分野とも関連し、自然と宇宙の真理(神秘)にも関わるロマンある学問でもあります。大学は、そのような真理の究明に熱中できる貴重な場であり、“青春”のような時間です。未知の物理を解明し、工学応用できたときの達成感は計り知れません。そのような経験を、共に分かち合いたいです。

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