東京理科大学 TOKYO UNIVERSITY OF SCIENCE

創域理工学部 理工学研究科

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金井 要教授 KANAI Kaname

所属学科: 先端物理学科 学位: 博士(工学) 専門分野: 物性物理学 研究室URL: http://kanai-tus.jp/ 研究者DB: https://www.tus.ac.jp/academics/teacher/p/index.php?6329

有機半導体によるあたらしい光・電子デバイスの開発

有機物は電気を流さない物質、「絶縁体」のイメージがありますが、有機物のなかには金属や半導体になるものもあります。半導体になる有機物は「有機半導体」と呼ばれ、シリコンなどの半導体にはない新しい機能を持っています。例えば、柔軟で軽量なデバイスが作ることができたり、低コストのデバイス製造プロセスが利用できるなどの利点があります。私たちは、あたらしい有機半導体を生み出したり、有機半導体を利用して、トランジスタなどの半導体素子や太陽電池、光触媒などを実現するための研究を行なっています。(図は、窒素(N)と炭素(C)、水素(H)からなる光触媒です。)

物質表面に形成される二次元電子系の世界

物質の表面は、擬似的な二次元の世界です。特に、Au(金)などの結晶の表面に存在する一部の電子は、表面に強く閉じ込められており、結晶中を動くことができません。このような二次元の世界にいる電子(表面電子)は、三次元の世界にはない奇妙な性質を持っています。例えば、表面の上方は何もない空間(真空)ですが、下方には結晶があります。物理学では、このような環境を、「空間反転対称性がない」と表現します。空間反転対称性がない世界にいる一部の表面電子は、結晶中にいる電子とは全く異なる状態にあり、特異な磁気的性質を持つようになります。現在、このような表面電子の特異な物理的性質を利用することで、これまでの情報機器とは全く動作原理の異なるあたらしい情報機器を生み出すことができると考えられています。そのため、私たちは、物質の表面電子の性質を詳しく調べ、制御する方法を研究しています。これまでの研究から、表面電子は、表面にくっ付いた(吸着した)原子や分子に強く影響を受けることが分かってきています。そこで、物質の表面に、特定の性質を持つ分子を意図的に吸着させ、規則正しい構造(吸着構造)を作ることで、表面電子全体の性質を変化させることができます。現在は、吸着させる分子の性質を変えたり、さまざまな対称性を持つ吸着構造を作ることで、表面電子の性質がどのように変化するのかを調べています。(図は、Au表面に吸着したメラミンという分子が作る吸着構造です。)

For Students

現代の物理学は、非常に広い分野に広がっています。先端物理学科で行われている研究も、宇宙の構造や素粒子の性質、恒星が最期に起こす大爆発、新しいエレクトロニクス材料の開発から昆虫の羽の色の起源まで多岐に渡っています。自然界のすべての現象から、最先端の工学や生命科学まで、非常に多くのことが物理学の研究の対象です。しかし、驚くべきことに、その基本となる理論の多くは共通しているのです。これは、物理学という学問の大きな魅力であり強みでもあります。物理学を学び、その知識や考え方を身につければ、予想以上に多くの事柄を探求する道が拓けるのです。物理学を学ぶことで、さまざまなことに興味を持ち、みなさんの好奇心、探究心を伸ばしていってください。

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