東京理科大学 TOKYO UNIVERSITY OF SCIENCE

創域理工学部 理工学研究科

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高野 恭弥准教授 TAKANO Kyoya

所属学科: 電気電子情報工学科 学位: 博士(工学) 専門分野: 集積回路工学、マイクロ波工学 研究室URL: https://www.rs.tus.ac.jp/takanolab/ 研究者DB: https://www.tus.ac.jp/ridai/doc/ji/RIJIA01Detail.php?act=pos&kin=ken&diu=6fda

デバイスの性能限界を追求したテラヘルツ集積回路の実現へ

電波と光の中間の周波数領域はテラヘルツ帯と呼ばれる周波数領域で、この領域の電磁波は電波と光の中間の性質を有しています。これまでこの領域は、光学で扱うには低すぎる周波数領域であり、また電子工学で扱うには高すぎる周波数領域でした。そのため、あまり研究が進んでいませんでした。しかし、近年の技術の進歩により、光学と電子工学の両方からこの周波数領域にアプローチすることが可能になり、様々な分野への応用が期待されています。私の研究室では、電子工学の方面から、集積回路を用いてテラヘルツ帯の応用を実現して行きます。テラヘルツ帯で動作する集積回路を実現するためには、回路技術だけではなく、マイクロ波技術や光技術なども取り入れて、デバイスの性能限界を追求していかなければいけません。テラヘルツ集積回路の研究を通して、超高周波集積回路の設計理論を確立することが私の研究室の大きな目標です。

サイバー・フィジカル・システムを実現するテラヘルツ通信機集積回路

現在のスマホで用いられている第5世代移動通信システム(5G)の次の世代、第6世代移動通信システム(6G)では、世の中のあらゆる情報をサイバー空間に蓄積し、その第2の世界で様々な解析を行うことによって現実世界の問題を解決する、「サイバー・フィジカル・システム」の実現が目標とされています。このシステムを実現するためには、膨大な量の情報を扱う必要があり、これまで用いられてきた電波よりも高い周波数の電波を利用する必要があります。その候補の一つが、テラヘルツ帯の一部である300 GHz帯です。しかし、この周波数帯は、スマートフォンなどで広く用いられているシリコンCMOS集積回路で扱うには高すぎる周波数であり、電波を増幅することができません。それは、普通は無線通信機を実現することができないことを意味します。それを、我々は様々な回路技術によって課題解決し、シリコンCMOS集積回路を用いて300 GHz帯通信機を実現する研究に取り組んでいます。

物質を特定可能なテラヘルツセンサ集積回路

テラヘルツ波は光子エネルギーがX線や紫外光、可視光に比べて小さく、生体物質に与えるダメージが小さいといった特徴や、指紋スペクトルと呼ばれる物質固有のスペクトルが存在するといった特徴があり、それらの特徴を用いてテラヘルツ波のバイオメディカル分野への応用が研究されています。これまでのテラヘルツセンサは光学装置を用いて実現されており、装置が大型で、ウェアラブル端末のような手軽さで生体情報を計測することは困難でした。そこで、私の研究室では小型化が可能な集積回路を用いてテラヘルツセンサを実現するために、高精度にテラヘルツ波を検出する手法を開発しています。現在は700 GHz帯をターゲットにしており、徐々に周波数を上げていく予定です。

For Students

自分たちで設計した集積回路が動作する喜びを分かち合おう

高周波集積回路の設計開発は、通常複数人で協力して行います。1つのシステムを実現するためには複数の機能ブロックが必要になりますし、回路レイアウト(マスクパターン)の作成も自分たちでやらなければいけません。そのレイアウトは、ある決まったルールに則って描かれている必要があり、1つの配線の幅は細すぎても太すぎてもいけません。一度レイアウトが完成しても、それを電磁界解析して回路シミュレータに反映し、再設計、再レイアウトをする必要があります。これを何回か繰り返してようやく完成です。これらの作業を決まった締め切りまでに行う必要があるため、正直に言って大変な作業なのですが、その分チップが完成し、それが動いたときの感動はひとしおです。一人でも多くの学生さんと一緒にその感動を分かち合えたら私も嬉しく思います。

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