東京理科大学 TOKYO UNIVERSITY OF SCIENCE

創域理工学部 理工学研究科

Translated by shutto翻訳

当サイトでは、機械的な自動翻訳サービスを使用しています。

日本語English中文(简体)中文(繁體)한국어

仲吉 信人准教授 Nakayoshi Makoto

所属学科: 社会基盤工学科 学位: 博士(工学) 専門分野: 水文気象学、生気象学 研究者DB: https://www.tus.ac.jp/ridai/doc/ji/RIJIA01Detail.php?act=pos&kin=ken&diu=695f

安全・快適・エネルギー効率の高い都市を創出する

2050年代までに世界人口の7割が都市に居住すると試算されています。都市における人間活動は環境・気象に悪影響を及ぼすとともに、環境問題や極端気象による脅威に曝されています。環境・気象への影響が小さい都市の創出、集中豪雨などの極端気象やヒートアイランド・熱中症などの被害が小さい安全・快適な都市空間の創出は人類の持続可能な発展のために不可欠です。仲吉研究室ではこれの実現に向けた研究を行っています。

熱中症ゼロ社会の実現〜パーソナライズされた熱中症リスク評価〜

地球温暖化、都市温暖化により熱中症被害が深刻化しています。熱中症により毎年数万人の救急搬送、500人を超える症死者がでています。熱中症は個人個人の暑さ回避行動によって防げる疾患であり、暑さ回避行動を促すために正しい熱中症リスクの評価・発信が必要です。
環境省・気象庁は2021年より熱中症警戒アラートの運用を開始し、暑さ指数WBGTが33℃を超えると予測された都道府県には熱中症警戒アラートが出され、不要不急の外出抑制や活動自粛が促されています。熱中症警戒アラートは気象条件のみに基づくリスク情報ですが、実際の熱中症リスクは個人の状態や属性も大きく影響します。また、地球温暖化が進む将来は熱中症警戒アラートの発表が常態化する可能性があり、外出抑制・活動自粛がセットになれば社会が機能不全に陥るリスクがあるでしょう。
私の研究室では、個人の活動状況や、服装、年齢、性別を考慮し、暑さ回避行動によるリスク低減効果を評価する新しい熱中症リスク指標を開発し、それを情報発信するためのシステム構築を行っています。熱中症とは、深部体温(臓器の温度の総称)が異常高温になった状態です。当研究室で開発した人体熱収支モデルにより、気象条件と個人の属性や状態に応じた深部体温が予測されます。これを熱中症リスクに変換します。当研究室の学生の博士課程研究課題として実用化に向けて取り組んでいます。

都市の気象シミュレーション構築

天気をコンピュータ上で再現することを気象シミュレーションといいます。太陽からのエネルギーの伝達、熱や水蒸気・運動量などの輸送、H2Oの相変化に伴う雲・降水の生成、地表面と大気の熱交換などなど、気象に関する物理過程を数式で表現した気象モデルによりシミュレーションが実現します。
気象モデルにおいて都市は、森林、草地、土壌、水面などといった土地利用の一区分として取り扱われていますが、他の土地利用と比べ都市の振れ幅は大きいです。東京都心部やニューヨークなどの大都市と農村部の市街地では大気へのインパクトは全然違うというのは容易に想像できると思います。しかし、現状の気象モデルでは、このような都市毎の違いを表現することができていません。気象庁の天気予報モデルでも日本中の全ての都市が同じ形態であると想定しシミュレーションされています。これでは、都市の気象を正しく予測・評価することはできませんし、地球温暖化予測にも誤差が生じる懸念があります。私の研究室では、都市毎の違いを気象シミュレーションに反映させるためのモデル開発を行っています。建物高さや建ぺい率などの建物の幾何パラメータや太陽エネルギーの反射・吸収率といった熱的パラメータを世界の全都市に渡ってデータベース化し、そのデータベースを組み込む都市モデルの構築を行っています。このモデルにより、都市気象の予測精度の向上、ヒートアイランド対策効果の定量評価、地球温暖化に対する都市化の影響を正しく評価することが可能となります。

  1. TOP
  2. 教員紹介
  3. 安全・快適・エネルギー効率の高い都市を創出する