東京理科大学 TOKYO UNIVERSITY OF SCIENCE

創域理工学部 理工学研究科

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新しい領域、新しい価値、そして「創域」そのものを、みなで作り上げていきたい

「創域ジャーナル」の創刊にあたって改めて、学部改称に込められた意味やこれからの実践について語っていただきました。

「創域」とは何か、創域理工学部は何を目指すのか――。

今回、「創域ジャーナル」の創刊にあたって改めて、学部改称に込められた意味やこれからの実践について、理工学部の3教授――学部長の伊藤浩行教授(数学科)大宮喜文教授(建築学科)堂脇清志教授(経営工学科)――に語っていただきました。

大宮教授は建築物の火災や安全性に関わる研究、堂脇教授は再生可能エネルギーに関する研究などに従事。伊藤学部長によれば、理工学部の中でもとりわけ、様々な要素が絡み合った「創域」的な研究をされているお二人とのことです。3教授それぞれの「創域」に対する思いや意気込みを聞くと、決してただ名前が変わるだけではない、ということが見えてきます。

伊藤 浩行(上写真:中央)> 大阪大学理学部数学科卒業、同大理学研究科数学専攻博士課程中退。東北大学、ハーバード大学客員研究員、広島大学などを経て、2011年より本学理工学部数学科教授。専門は代数幾何学、応用代数学など。2020年より同学部長。

大宮 喜文 (上写真:左)> 東京理科大学理工学部建築学科卒業、同大理工学研究科建築学専攻博士課程修了。キングストン大学ロンドン火災爆発研究センター客員教授、アルスター大学火災安全工学技術研究所客員教授などを経て、2011年より本学理工学部建築学科教授。専門は建築火災安全工学など。

堂脇 清志 (上写真:右)> 早稲田大学理工学部資源工学科卒業、東京大学工学系研究科地球システム工学専攻博士課程修了。国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構職員、米国ハワイ大学客員研究員、地球環境産業技術研究機構主任研究員などを経て、2012年より本学理工学部経営工学科教授。専門は、化学工学、エネルギー学など。

横断型の教育をさらに一歩推し進める

――理工学部は、50周年を迎えた2017年以来、「共に響きあう理工学部」を目指し、「共響(キョウメイ)」という言葉を掲げてきました。学科を超えた横断型の教育もその時に始まっています。2023年度からの「創域理工学部」も横断型の教育が一つの柱となっていますが、「共響」の段階とはどう違うのでしょうか。

伊藤: 理工学部は1967年の設立以来、オープンな雰囲気を特長としてきました。広く開放的な野田キャンパスにあることが大きいと思います。学科を超えて学生同士が交流したり、研究室間で一緒に研究を行ったりということも、当初から盛んでした。そのような横断的思考や、既存の学問分野にとらわれない研究や教育のありようが、時代の変化とともにますます重要になってきた中で、それを学部のシステムとして取り入れたのが50周年を迎えた2017年のことでした。「大学院横断型コース」と「6年一貫教育コース」を開始したことで、横断的な教育がより行いやすくなりました。

それから5年ほどが経ち、そのシステムもだいぶ安定してきました。そこで、さらにその流れをもう一歩推し進めようというのが、今回の「創域」への移行です。たとえば、6年一貫教育コースも、2017年は、大学院進学率が高い2学科からスタートしましたが、来年度からは全学科で始まります。「共響」のコンセプトを引き継ぎつつ、それをより具体的な形で実現するのが「創域理工学部」だと言えます。

――「創域」という言葉に込められた意味を教えてください。

伊藤:2017年より進めてきた横断型の教育は、主な対象が4年生や大学院生でした。しかし、より早い段階で横断的な思考に触れてもらうことが大切だということが見えてきました。そこで、今年度から具体的な施策を進めていて、その一つが、1年生全員に受講してもらう「創域特別講義」です。この講義では、理工学部の全学科の先生が、それぞれの学科の専門において創域とはどういうことかを問い、話します。学生たちには、ただそれを聞くだけではなく、最大5人のグループを作り、各先生が出す課題を一緒に解いてもらいます。しかもその5人は全部違う学科の学生を組み合わせる。そうやって入学時からすぐ、学科を越えてチームで問題を解決するという経験を積んでもらうことで、お互いに世界を広げ合い、かつ、他の分野の人と一緒に考え、何かを生み出していくことの楽しさや意味を感じてもらう。それが将来の融合につながり、「創域」の芽になると、私たちは考えています。

大宮:「みなさん、創域をまずはここで体験していってください」という大学から学生へのメッセージになりますよね。入学してすぐに創域に触れることで、きっとその後の大学での過ごし方も変わってくるのではないでしょうか。

堂脇:「創域」に移行するにあたっての具体的な変化としてもう一つ重要なのは、社会や地域との連携の強化です。いまはあらゆる企業が、新たな価値創造のために融合的な教育を受けてきた人材を求めています。私たちも、横断や融合というコンセプトをはっきりと打ち出してきた結果、研究やプロジェクトを一緒にやりませんかという話を複数の企業からいただくようになっています。また、大学も企業も、地域や社会に貢献しようという意識が高まり、協力してやっていけることが多くなっています。創域理工学部として、今後ますます、企業、地域とつながって、ともに社会を作っていくという流れを進めていけたらと考えています。

コミュニケーションを取り、挑戦する学生たち

――横断的な思考を取り入れるようになったここ5年の間で、学生の意識の変化というのは感じられますか。

堂脇:私の個人的な印象としては、”挑戦しない”学生が少なくなったように感じています。いまの子たちは、自分の可能性を自分で否定してしまいがちですが、いろんな人と横断的にチームを組んで一緒にやることを促すと、「協力するとこんなこともできるんだ」って気づいてくれるんです。そういう体験をすることで自信がついて、「よし、やってみよう!」という前向きな気持ちをもって挑戦する学生が増えてきたように思います。学生たちのそういう雰囲気は、私たち教員のモチベーションも上げてくれるんですよね。コロナ禍によって、みなで一緒に、という機会が減ってしまったのが残念ですが、これからまたそういう機会を取り戻していきたいですね。

大宮:私もやはり、学生の間で学科や専攻の壁が随分低くなったように感じています。以前は、学生間のコミュニケーションはサークルや部活動という学生主体の活動が中心だった印象ですが、教育研究の場においてもコミュニケーションが多様になったのがすごくわかる。また、先日、先の「創域特別講義」後の夕方の時間に、学生たちが帰りながら、「今日の創域どうだった?」って話していたんです。それを聞いたとき私は、きっとこうして「創域」という言葉が浸透していくんじゃないかなってすごく嬉しくなりました。創域理工学部に名称が変わり、創域という言葉をよりはっきりと認識するようになったら、学生たちの意識はさらに変わっていくのではと楽しみにしています。

伊藤:一方、横断型コースを始めるとともに、外国の大学とも連携を強め、学生が海外に出やすい基盤を作っていこうと計画していたのですが、それもコロナ禍の影響で難しくなってしまいました。とても残念なことでした。でももちろんいまもその意識は持ち続けているので、今後、「創域」のコンセプトのもとで改めて、国境を越えた分野横断や融合研究の可能性を模索していきたいと考えています。

大宮:「創域」を掲げる今後こそ、積極的に国際化を進めていくいいタイミングのようにも思います。学生たちには世界に出ていろんな経験を積んでもらいたい。そのためにも、コロナ禍の早期の収束を願いたいですね。

「楽しかった」と卒業してもらいたい

――最後に、今後、創域理工学部にはこういう学生に来てほしいとか、創域理工学部をこういう学部にしてほしいなど、未来の学生たちへ一言お願いします。

伊藤:受験科目だけでなく、いろんなことを勉強して、さまざまな分野に興味をもって大学に入ってきてほしいと思います。まさにそういう意識をもつことが創域であるし、そういう雰囲気をみなで作っていってほしいですね。

大宮:伊藤先生のおっしゃった通り、幅広くいろんなことに興味を持ってほしいと同時に、「この先生のもとでこの分野を学びたい」という気持ちを持って大学にきてもらえたら、という思いもあります。高校生の段階で各分野について詳しく知るのは難しいですし、みながみなそうである必要はないのですが、この先生、この分野、という意識を持って入ってくる学生は、やはり意欲的だし、しっかりとした芯があるって感じることが多いので、嬉しい存在です。他の学生の意識を変えることにもつながるし、いろんな学生がいていい中で、そういう意識がある学生は貴重だなって思います。

堂脇:私は、そうですね、何よりも、思いやりを大切にしつつ、かつ、世の中を変えたいという強い思いを持っている学生に来てほしいですね。そういう学生には、いくらでも力になりたいし、力になれるっていう気持ちがあります。この学部にはそういう力を育むポテンシャルが十分にあるって、自負しています。野田キャンパスは、スペースの上でも、中にいる人にも、”新たなことにチャレンジする余裕感”がある。だから私は、自信を持ってそう言えます。「創域」ができるのも、この余裕感があるゆえなんじゃないかなって思っています。

伊藤:そうですね。のどかでオープンなこのキャンパスで、じっくり学んで、いろんな人と出会い、経験して、楽しかったって思って卒業していってもらいたい。それこそが本人の力にもなるし、私たちも望むことです。

堂脇:楽しいことは、本当に大切ですよね。私は長く、他の大学や研究機関にもいたために感じるのですが、この理工学部は、先生方がほんとにすごく仲がいい。学部長室によく先生方が集まって飲み会をしてたりして、この仲の良さは一体なんなんだと、当初はよく思ったものです(笑)。そういう空気は、研究や教育を進める上でも、すごく大きなモチベーションになるし、私にとってはこれがこの学部の一番の良さなんじゃないかと感じるほどです。学生さんたちも、積極的にそうした空気の中に入ってもらって、みなで「創域」を作り上げていけたら、って思っています。楽しい場所なので、是非楽しみにして、この学部を目指してほしいですね。

(次回は、大宮、堂脇両教授が、それぞれの研究内容を掘り下げながら、創域とは何かを語ります)

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