東京理科大学 TOKYO UNIVERSITY OF SCIENCE

創域理工学部 理工学研究科

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【在学生に聞く】経営システム工学科 4年 濱﨑麻優さん(堂脇研究室)

高校3年生の夏、理科大が掲げる「実力主義」に興味を持ってオープンキャンパスを訪れ、現在所属する堂脇研究室と運命の出会いをしたという、経営システム工学科4年の濱﨑麻優さん。
3年次から「6年一貫教育コース」に参加。民間企業との共同研究の下、研究活動を開始した濱﨑さんは、国際学会International Conference on Biomass and Bioenergy (2022)でBest Student’s Paper Awards (1st. Winner)を受賞しました。 現在は「横断型コース」にも所属し、意欲的に研究活動に励んでいます 。
今回は、「厳しい環境が好き。壁にぶち当たって突破することが楽しい」という濱﨑さんに、大学選び、高校生活、創域理工学部での研究や学生生活などについて聞きました。

*学年は取材当時のものです。 濱﨑さんの3年次までは「理工学部」の名称でしたが、 記事内では、現在の名称・創域理工学部に統一して表記します。

*6年一貫教育コース
創域理工学部・創域理工学研究科に設定されたコースで、学部4年と大学院修士課程で一体化した教育が受けられる。全学科・全研究科で実施され、経営システム工学専攻では学部3年次から6年一貫教育コースへ参加する機会を設けている。詳しくは創域理工学部ホームページをご覧ください。
https://dept.tus.ac.jp/st/structure-of-education/course/six/

*横断型コース
創域理工学研究科(大学院)の教育プログラムで、各専攻の研究室に所属しながら、他専攻の研究室と共に研究に取り組むことができる。詳しくは創域理工学部ホームページをご覧ください。
https://dept.tus.ac.jp/st/structure-of-education/course/transverse/

――東京理科大学 創域理工学部に進学を決めた理由を教えてください。

数学と理科が苦手だったのですが、小学生の頃からとにかく機械が好きで、理系に進むことは早くから決めていました。高校3年生の夏までは、別の大学が第一志望でした。「1番頭がいい大学に行きたい」という思いから、工業系でトップの国立大学に入りたいと思っていました。ところが、理科大志望の友人と行った夢ナビライブ(複数の大学が出展する進学イベント)で、理科大の徹底された「実力主義」を知って心ひかれ、それまで興味が無かった理科大が気になり始めたのです。そこで、創域理工学部の夏のオープンキャンパスに行くことにしました。

オープンキャンパスで出会ったのが、現在所属している堂脇研究室の堂脇清志教授と先輩方です。興味があった経営システム工学科を訪ねると、まずはアロハシャツを着た堂脇先生に目を奪われました。研究室の見学会では、堂脇先生の研究と教育に対する情熱が熱く語られていました。研究に関するお話はもちろんですが、特に心に残っているのは、先生の教育に対する熱意です。学生をどのように指導しているかという話を聞き、学ぶことの厳しさの先にある達成感、充実した時間が見え、ここで学びたい、ここでなら自分が成長できると確信しました。勉強が苦手だったけれど、努力を重ね、今では学会で発表をしたりしているという先輩のリアルな体験談も心に響きました。

よく運命的な出会いを「ビビビときた」と表現することがありますが、堂脇研究室との出会いは、私にとってビビビときた出来事でした(笑)

――機械を好きになり、理系に興味をもった背景を教えてください。

小学生の頃から機械に興味がありました。地域の企業を訪ねる授業があったのですが、その時、私が見学したのが機械の部品を作る会社でした。そこで経営者の方の話を聞いたり、工場を見学させてもらったりして、機械を動かすための部品を作るってかっこいいな、将来はここで働きたいなと考えるようになりました。また、ゲームをするのが大好きだったので、プログラミングにも興味がわき、自分で勉強して簡単なホームページを作ったりもしていました。

進学した中高一貫校はIT教育に力を入れていて、どの授業でもパソコンが活用されていました。高校ではコンピューター部に所属し、自分でゲームを作ることのおもしろさを知りました。毎年、文化祭で作品(ゲーム)を発表していました。発表前にまわりの人たちに試してもらい、ここが難しいとか簡単すぎるとか評価してもらって改善していくのですが、改善するには新しい機能を覚えることが必要で、勉強を重ねて完成させたことをよく覚えています。文化祭の来場者が実際にプレイし、楽しんでくれる姿を見ることが何よりもうれしいことでした。中学でも美術部で作品作りをしていたし、一貫して作品作り・もの作りに興味があったのだと思います。これらの経験が理系を目指すきっかけとなっているのかもしれません。

高校生の時には生徒会の副会長も務めました。学校行事が好きだったので、裏方としてそれらを運営する仕事に興味がわいたのです。体育祭や文化祭では、実行委員会と共に運営の仕事をしました。今から考えると、そこで経験した裏方の仕事、例えばどういうスケジュールでどの場所にどれくらいの人を配置してといった仕事などは、経営システム工学の研究とつながっている部分があると思います。

――創域理工学部に入ってよかったことを教えてください。

まずは今の研究室に入って、志が高く熱い堂脇先生や仲間たちと共に研究活動ができることです。

そしてもう一つは、「横断型コース」に所属し、他の学科との交流が持てるところです。他専攻の授業を受けたり、専門分野の異なる学生と交流を持てたりすることが深い学びにつながっています。大学院進学を予定している4年生は先行履修ということで、大学院の他専攻の授業をとることができるため、私も現在、先端化学専攻の授業を受けています。自分の専門とは遠いと思っていたのに、自分の学科で勉強してきたこととのつながりや共通部分などを発見し、新たな気づきを得ています。他分野を学ぶと自分の専門分野について新しく見えてくることがあります。ちょうど海外旅行に行くと日本のよさがわかったり、逆に足りない部分もわかったりすることと同じような感覚でしょうか。特に経営システム工学の研究では、多種多様な分野の知識が必要となるので、「横断型コース」は私にとってうれしいシステムです。

またこの春から(2023年4月)から、学部名が理工学部から創域理工学部に変わりました。名前が変わるということはインパクトがあるもので、私はそのタイミングで横断型コースに参加したこともあり、自分のまわりでも「分野を乗り越えて交流し、融合的な学びを深めよう」という「創域」の気運の高まりを感じています。そうした活気ある雰囲気の中で研究活動を行えるのも創域理工学部の魅力の一つだと思います。

*撮影のため、実験用の装備(ゴーグル等)はしていません

――経営システム工学科を選んだ理由と実際に学んだ感想を教えてください。

元々、機械が好きだったのですが、情報や電気などそのほかの理系分野にも興味があったので、いろいろなことを勉強できそうだなという理由から、経営システム工学科を志望しました。経営システム工学は、様々な技術の中から最適な組み合わせを選んで新しい価値を生み出し、それを応用することによって社会の仕組み(システム)に関わる問題解決を目指す分野です。ですから、多種多様な分野を学ばなくてはならない大変さがありますが、その分、いろいろな世界に触れられて常に新しい発見があり、とても楽しいです。また、今ある技術はもちろん、これから芽を出す技術に対しても価値をつけられるのは、どの学科にもない唯一のこと、経営システム工学科の面白い点だと思います。

現在は化学工学の研究をしているのですが、苦手だった化学も必要に迫られて勉強しているうちに「こう考えればよかったのか」というような新しい気づきもたくさんあります。研究には根気強さが必要だけれど、がんばった先には多くのものを得ることができる喜びがあるということを実感しているところです。

――印象に残っている授業を教えてください。

2年生の前期に受けた「工業数学」です。微分と積分について深く学ぶ授業だったのですが、毎週小テストがあり、数学が苦手だった私には自分の力不足を思い知らされる厳しい授業でした。最初の頃は小テストで0点をとってしまうこともあり、大きなショックを受けることもありました。でもこの授業で、高校までの公式を暗記するだけの勉強ではない、学ぶことの本質を経験することができました。例えば、微分であれば「微分とは物事の変化の様子を細かく見ていくもので、実際の社会ではこういうところに使われているんだよ」と教えてもらうことで、学ぶことがどんどんおもしろくなっていったのです。公式の暗記だけではない理論に基づいた理解の重要性を知って学んだ結果、小テストでも自信をもって答えが導き出せるように変化していきました。厳しさを乗り越えた先に自分の成長を実感することができた印象深い授業です。

また、この授業を担当されていたのが、私が現在所属している堂脇研究室の堂脇先生で、そこから研究室を見学させていただいたり、先輩を紹介していただいたりすることで、オープンキャンパスでの出会いで感じた「この研究室に入りたい」という気持ちが強まりました。

――6年一貫教育コースに参加した理由と参加してみての感想を教えてください。

2年生までは学部を卒業してから企業に就職したいと考えていましたが、社会に貢献して活躍するためには、もっと学びを深めて実力をつけたほうがよいと感じ、大学院進学を意識するようになりました。そこで、せっかく早期から研究活動を始められるチャンスがあるならと、6年一貫教育コースに参加することを決めました。6年一貫教育コースには、所属研究室が早くに決まり研究に集中できる、学部4年次に大学院の科目を先行履修できるなどのメリットがあります。私も3年生から研究室に所属し、学会発表も経験することができました(2022年の国際学会International Conference on Biomass and Bioenergyにて、Best Student’s Paper Awards (1st. Winner) (特に優れた発表)を受賞)。今も大学院の授業を先行履修しているので、先に必要な単位をとり、残った時間を研究活動にあてたいと考えています。研究に集中して取り組める環境を作ることができる制度だと思います。

――取り組んでいる研究の内容について教えてください。

大まかに言うと、バイオマスの一種である下水汚泥から水素エネルギーを作るプラントの研究をしています。具体的には、水素エネルギーを作る過程で、下水汚泥を高温にして分解するプロセスがあるのですが、そこで使われる炉の中の温度のばらつきをサーモグラフィーで分析し、温度と生成される水素ガスの量の関係をシミュレーションしています。原料の量、熱の温度を評価し、水素エネルギーを効率よく生み出せるシステムを作るのが目的です。

プラントをもっている企業との共同研究で、実機とシミュレーションのデータを照らし合わせながら研究しています。いずれ実用化されるとしたら、地域の下水処理施設に併設される形になると思います。下水汚泥は現在は焼却されるのが主流ですが、新しい使い道として提案できるようにするのが目標です。学会で発表すると、聞いている人たちが驚きと関心を持って聞いてくれ、社会で求められている技術だと実感できてうれしいですし、研究へのモチベーションが高まります。

――将来の目標を教えてください。

今現在、水素エネルギーは「次世代エネルギー」と呼ばれることもあるように、まだまだ身近なところには無い、手の届かない夢のような技術だという印象があると思います。それを夢の技術から当たり前の技術にしたい、水素ステーションが今のガソリンスタンドのように身近な存在になる社会を目指したい、というのが私のこの先の目標です。時間はかかると思いますが、水素を身近に手軽に作れる技術を確立し、広めていきたいです。

今携わっている研究は、堂脇研究室の先輩方が受け継いで大事に続けてきたものですし、指導してくださる堂脇先生は、下水汚泥のようなバイオマスから水素エネルギーを作る研究に20年以上の時間を捧げていらっしゃいます。そうした多くの人たちの努力の積み重ねであるこの研究を、世に出すところまで責任を持ってやり遂げたいですし、下の世代にも意味のあるものとして受け継いでいきたいです。

――受験生のみなさんへアドバイスをお願いします

志望校はネームバリューや偏差値にとらわれず、自分が本当に学びたいものを学べる大学を選んでほしいと思います。そのためには、オープンキャンパスなどの機会に足を運び、実際にその大学の雰囲気に肌でふれてみるとよいと思います。写真や字面だけではわからないところが見えてきますし、そこで感じた直感や感情を大切にすることが、本当に学びたいことを見つける一番の近道だったりもします。

就職活動では、大学のネームバリューが大事だと考える人もいると思いますが、私はそれをひっくり返すぐらいの実力をつけることがもっと大切ではないかと思います。本当に学びたい環境を見つけたら、遠くてもがんばって通えるし、授業が厳しくてつらくても乗り越えられ、最後は必ず「楽しい」に変わります。ぜひ受験生のみなさんに、本当に学びたいもの、学びたい環境に出会ってほしいと思います。

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