日本物理学会 第78回年次大会(2023年)において本学大学院生が学生優秀発表賞を受賞しました。
受賞者 理学研究科 物理学専攻 修士課程2年 住吉 亜衣菜
指導教員 理学部第一部 物理学科 教授 山本 貴博
受賞題目 カーボンナノチューブの電流ゆらぎにおける量子-古典クロスオーバー
内容
本受賞は、カーボンナノチューブの電流ノイズに関する理論的およびシミュレーション的研究に与えられたものです。この20年ほどの間に、非平衡統計力学やメソスコピック物理学の分野において電流ノイズに関する様々な法則が見出されており、電流ノイズから物質の性質(物性)を探索が進められています。今後においては、原子レベルから量子力学的に電流ノイズを解析する手法の創出が求められており、住吉さんはそのようなアルゴリズムの開発とそれに基づくシミュレーターの開発を行い、さらにシミュレーターを「カーボンナノチューブ」に応用することで、カーボンナノチューブの熱振動が電流ノイズに及ぼす影響を明らかにしました。本研究は、今後の「ナノ材料の電流ノイズ」の理解と制御に向けて重要な研究であると評価され、今回の受賞となりました。
受賞日2023年9月17日